夏合宿報告

−チンネ左稜線でアルペン踊りを踊った−

報告:松田

日時:2000年8月12日〜8月15日

山行地:北アルプス剱岳周辺

メンバー:伊藤 松田

はじめに

アルプス一万尺    〓〓〓〓

子槍の上で     〓〓〓

アルペン踊りを     〓〓〓

さあ 踊りましょう   〓〓〓〓

皆さんもこの唄を知っているでしょう。でも、アルペン踊りは知らないはず。今回の合宿で松田はアルペン踊りの秘密がわかったような気がします。皆さんにだけ、こそっとお教えしましょう。

行動記録

8/12 2:00 滋賀県立図書館

 − 4:00 彦根インター(岡野さんより無線機を渡してもらう。朝早くから本当にありがとう)

 − 7:00 立山 − 直通バスにて室堂 − 13:00 剱御前小舎 − 15:00 剱沢

8/13 5:00 剱沢 − 長次郎雪渓 − 三の窓 − 三の窓雪渓

 − チンネ北条・新村ルート登攀 − チンネの頭 − 三の窓

8/14 5:00 三の窓 − 三の窓雪渓 − 6:00 チンネ左稜線登攀 − 12:00 チンネの頭

 − 三の窓 − 長次郎雪渓 − 剱沢雪渓 − 剱沢

8/15 9:00 剱沢 − 剱御前小舎 − 室堂

登攀記録

<チンネ 北条・新村ルート(3級下 〓、A1(V)) − gチムニー c,dクラック(2級 〓+>

取りつきで迷う。行けそうなところがあり、ここか?と思うが違う。他のパーティーが取りつきを見つけてくれた。いかにも取りつきという感じの場所。う〜ん、岩を見る眼がないなあ。と感じ入る。

1st 〓 L松田

まずは快適に行く。岩はかなり脆い。終了点がなかなかない。二股に分かれたルンゼの右にハーケンが見える。右に行ってビレイ。しかし、これが落とし穴だった。

2ndピッチ L伊藤

どうやら正規のルートではないようだ。左が正解だったのだ。とりあえず終了点だろうな、というテラスで終了。迷ったけど正規のルートに戻ったね、などと言い合っていた。

3rdピッチ L松田

しかし、次のルートが見つからない。左も行けそうだが悪い。右の行けそうなところを5m程登っただろうか?えらく悪い。そして、どんどん悪くなる。ハーケンない。1本もない。これはルート違う。落ちたらやばい。意を決して怒涛のクライムダウン。もちろん、登るより難しいのさ。岩だって脆いのさ。

クライムダウンを終了して、しょうがないから直上。しかし、これも悪いよ。一回、やばい瞬間があったけどなんとか切りぬける。と正規のルートではないか? 取りつきで隣のルートを行ったパーティと合流する。あ〜あ。核心のピッチを飛ばしてしまった。まあ、こっちのほうもなかなか手ごわかったけど、なんて言っていた。

4thピッチ L伊藤

ところがである。ここからが核心だったのである。苦労に苦労を重ねて、1ピッチ分しか登っていなかったのである。凹各内のクラックを行った後、核心が出てきたのである。伊藤君はアブミなしでリード。セカンドの自分もビビリまくり。このルート、さすが天才的クライマー北条理一が開いただけあって奥が深い。核心上部でピッチを切ったと記憶している。

5thピッチ L松田

核心を越えた後なので、心安らかに中央バンドに達する。

gチムニー L松田、cクラック L伊藤、dクラック L松田

チンネの頭に出る。ここら辺はそこそこ面白く快適に登れる。

チンネは左稜線以外はあまり登られていないようだ。岩が脆く、浮石が多い。迷ったルートではここ一発と思うホールドが浮いていたりするのだ。一度、大きな落石があった。自分が登攀中に体験した落石の中では最大であった。

ちなみに倉木麻衣のLove,Day After Tomorrowで倉木麻衣のLoveの歌声がラークと聞こえる。岩場であの声でラークと言われても、おじさんは許してしまうだろう。

<チンネ左稜線(4級下 〓)>

三の窓雪渓を下り、シュルンドに入るとそこが取りつき。先行の3人パーティが順番をゆずってくれた。

1stピッチ L松田

小雨上がりの濡れた岩を登る。

2ndピッチ L伊藤

ちょっと難しい凹角を行く。このピッチは開けていて気持ちが良い

3rd、4thピッチ L松田

5thピッチ L伊藤

6thピッチ L松田

ここでピナクル裏に達する。それからは記憶あいまい。40mの草付きをコンテで行ったと思う。このころから。ザイルが捩れる。捩れがランニングに引っかかり、ザイルの流れが非常に悪くなる。うーん、やっぱり下手なんだなあ。ピナクルの林立するリッジを抜けて、核心前のテラスに到着。少し休憩。後続パーティに先に行ってもらおうかと思ったが、時間がかかりそうなので行くことにする。

核心 鼻 L松田

日本のクラッシクルート集にも載っている。核心部鼻であるが、フリークライミングが発達しフラットソールで登る現在では特に問題はない。ただし、またもやザイルの流れが悪い。途中でピッチを切る。

L伊藤

L松田

ここでスタート前、どうしてもザイルの捩れが気になってしまった。伊藤君にビレイしてもらいながら、ザイルをまたぎながら8回ターンした。その時、自分の頭にある仮説が思い浮かんだ。岩場の途中でクルクルターンをしているのを遠くから見ると、まるで踊りを踊っているように見えるのではないか?そして、かねてから抱いていた一つの疑問の解答が見つかったような気がしたのである。アルプス一万尺、小槍の上で、アルペン踊りをさあ踊りましょう。らんららんら、らんららら、らんららんら、らんらら...。この唄の誰も知らないアルペン踊りとは、実はザイルの捩れを直すためにクルクルターンしたところから始まったのでは?日本登山史初期の頃、先輩方が子槍を登攀していて、ザイルの捩れに苦労している姿が目に浮かぶようであった。

その後もいくつかのピナクル、リッジを越え、チンネの頭に出て登攀を終了した。

その他

今回の合宿では日程が合わず、後半組みと完全に別行動になってしまった。初参加のアッコちゃん。自分は冬山パトロールぐらいでしかご一緒したことのない竹村さん。合宿二度めの高村さん。密かにけっこう縦走に行ってる京ちゃん。そして、毎度おなじみのチリ紙交換(市岡君、渡辺さん)。夜はけっこう盛り上がったようで、うらやましい。ぜひ、次は合宿ご一緒したいですね。今回参加できなかった麻希ちゃんもまた今度。ほかの方々もぜひ合宿参加してください。

今年は雪が多かったせいか、花の時期が遅く、剱沢、長次郎の雪渓に花が沢山咲いていました。急峻な岩壁と長大な雪渓、やはり岩と雪の殿堂と呼ぶにふさわしい夏の剱は最高でした。5年前のデビューが懐かしい気持ちでした。

14日は登攀を終えた後長次郎雪渓を下り、剱沢を登り返しましたが、本邦踏んだほうがずっと近く早かったはず。ちょっときつく、歳を感じてしまった。

反省

今回は忘れ物が3点あった。フォーク&スプーン、銀マット、ルートコピーである。ルートはコピーでないと、本ではザックから出して見る気にならない。ルート把握がおろそかになった。ザイルの引き回しは相変わらず下手である。安全面ではふざけているようで、引き締まるときには伊藤&松田コンビはしっかりしているぞ。4本爪アイゼンは長次郎上部の下りでは少し不安である。

一人言

剱御前小舎の生ビール飲みたかった。

室堂の生ビールとスジ肉は美味かった。

みなさん、先月の滋賀岳連月報読みましたか?報告書を書きましょう。

以上