関連活動


精神保健福祉協会だより 編集後記 抜粋

 第37号(2009.8.31)

編集後記

◆例年より比較的涼しい夏でした。近くの農家の方から、西瓜を届けていただきましたが、今年はできが悪いと嘆いておられました。低温と日照不足の影響で、全国的な米の作況指数はやや悪いと予想されていますが、滋賀県は幸いなことに平年並みらしいです。

◆一方、新型インフルエンザが不気味です。8月16日までの1週間にインフルエンザ定点報告数が目安の1.00を上回ったため、流行期に入ったと判断されました。8月の流行期入りは、異例のことです。滋賀県は沖縄、奈良に次いで3番目に多くなっています。これまでの例から推測すると、今回の新型インフルエンザの発症ピークは10月上旬で、1日当たり約76万人の患者が発生し、全国の入院患者は最大時で4.6万人に上る可能性があるとのことです。手洗い、うがいなど一人ひとりが感染予防を心がけることが必要です。

◆それに雇用問題が深刻になっています。滋賀県でも多くの優良企業が派遣を打ち切るなどしています。7月の完全失業率は5.7%、有効求人倍率も0.42倍と、いずれも過去最悪となったそうです。近くのハローワークは、仕事を求める人で連日あふれています。

◆このような状況で、7月21日に衆議院解散となり、当時国会に上程されていた多くの法案と共に、障害者自立支援法改正案も廃案となりました。この改正案には、応益負担から応能負担への転換や、相談支援体制の充実など、現在の枠組みの中でそれなりに考え抜かれた内容がありました。しかしそれも今は空しいものとなっています。8月30日投票までの、真夏の40日間に及ぶ長い選挙戦の結果、民主党の地滑り的圧勝となり、国民は政権交代を選択しました。今後は民主党を中心にした政権によって、障害福祉施策が行われていくことになります。民主党のマニュフェストには、国連障害者権利条約の批准、障がい者差別を禁止する法制度の構築、障害者自立支援法を廃止し、新たに障がい者総合福祉法を制定する、等があります。比較的理想論を並べたところがありますが、優先順位はどうなっているのか、財源はどうするのか、それらが今後どのように実現されていくのか注意深く見守っていく必要があると思います。

(滋賀県精神神経科診療所協会 上ノ山)




お問い合わせはこちら!ご連絡は mihikocl@biwako.ne.jp までお願い申し上げます。
(病気・診療に関するお問い合わせにはお応えできません。)
Copyright (c), サイト内の無断複製および引用を禁じます。