相生U

相生U


 東洋医学は、地球上の物質を木、火、土、金、水の五つに区分することにて、 全ての巡りが助け合っている働きと考えました。それには、五つの星を天のバランスとし、木、火、土、金、水を地の支配として天地がそれぞれ五つの形で巡っていると哲理したのです。この相生の働きと作用が理解できるとほぼ東洋医学の概要がつかめるのです。

 近代科学の現在の医療は、西洋医学があらゆる分野で物質的に超微精密機器で測定され、人間の内部深くまで知ることができ、寿命も延びました。しかし、東洋医学の「気」の働きは、機器では測定できないのです。いわゆる「精神」と「感情」の気の動きを知ることには、東洋医学の強いところであり、自慢できるところです。今後の益々の研究が、展開されていくと思います。その立証に、最近は大病院や心療内科専門医院の医師が東洋医学の学術に興味を持たれ、熱心に勉強されています。反面、勉強しなければならない鍼灸業界が西洋医学の学理に東洋医学を結びつけようとする面もあり、本来は古典の延長である思想哲学を勉強することが望ましく、西洋医学の学理に接続させるのは大変難しいことだと思います。本来の姿を大切に守って育てることが大切です。従来の木造建築や神社仏閣のように、伝統的な長所を活かすのも東洋医学の精神であると思います。私たち人間は地球上で生活しています。この地球には、空気があってこそはじめて生命体の成り立ちがあるのです。身体や肉体、細胞だけでなく、周囲の気体によって保護され、命を保っているのです。

 また、耳慣れない言葉ですが、東洋医学は「気血」の巡りがよいと健康です。悪いと色々な病気になるといいます。身体の物体を栄養するものと考え、その物として「血」が働いていますが、それを外側から衛ってくれている「気」によって、両者が一体となり、初めて人間の機能が成立していると考えられているのが、東洋医学であります。

 空気中の存在している中に、マイナスの性質を持った気の発生があります。風、暑、湿、熱、寒などは必要以上に多くなったり、少なくなったりするとマイナスに働いたり、プラスに働くため身体にとって「マイナスの邪気」となり、身体に関係してきます。精神的な感情である怒、喜、悲、憂、恐などの作用もこれから出てきますが、やはり「邪気」として病因になってきます。この病因を探し出すことが最も大切で、大事な診断法になります。この診断法を使うことにより、ストレスが身体に及ぼす影響がどれほど大きなものか知ることができます。邪気とは、正しくない作用と理解して下さい。秋冬の寒い風により、発熱、悪寒などの風邪症状もこの邪が侵入したもので、風の邪から風邪となったのです。


鈴木治療院
滋賀県彦根市後三条町350−3
TEL:0749-24-1502 FAX:0749-24-0408
E-mail:norinori@pop.biwako.ne.jp

【もどる】 【トップページ】 【つぎ】