五臓のまとめ T

五臓のまとめ T


 五臓を細かく説明したものを表にまとめてありますが、実際はもっと内容があり、食物や生活、方角、体質などにも分類されます。この表は診断術の問診を行うときに患者が訴える症状に対して、正しい治療を行うためにはどうしても欠かすことの出来ない基礎学なのです。単に漢字一字で書かれていますが、その縦と横のつながりや作用をくみ取っていただくと重要な説明が含まれていること気が付くことと思います。私たち人間がこの大自然の中で、生かされている事実を再認識させられる面もあります。人間として寿命を少しでも延命するには必要な養生法としての指南書なのです。

 他にも多くの医学書があります。「神農本草経」などは、今でも薬品メーカーが「神農祭」を行うほどに、漢方薬の起源の原典として貴重な書物であります。他に鍼灸に関する書も多くあります。これらの書物を読んでみますと衣食住のあり方、四季に応ずる生活、一日の使い方まで詳しく書かれているのです。このように健康で丈夫でありたいという人の願いは、昔も今も変わりなく、人間の本能として、医学を進歩させているものと思いますし、五行の各項目の応用実践で、多くの身体の調和に役立ってきています。現在もこの真理は発揮されています。しかし残念なことに、伝染病やウィルス病原菌などには全然歯が立たないことです。このような病症には、西洋医学の実力は及びもつかない底力を持っているのです。その科学性と唯物理論的医学の根拠に霊的にも考えられている「気」の働きを上手に調和させて、医学が研究されていくと東西合体の素晴らしい医療が実現するものと考えます。

 東洋医学においての各臓による診断について説明させていただきましたが、再度別の角度から復習したいと思います。肝には肝の感情があります。イライラや怒りの感情があると以前説明させていただきました。反面、肝には怒りに対比するやさしさという感情もあるのです。腹が立ち、何を見ても面白くない感情というのが肝の病状です。これは、怒りっぽくなるのではなく、肝に病邪が侵入して盛んになったときに表れると言われます。やさしさの感情がなくなると肝は病んでいってしまうのです。実際、身近にいる人々の中でいつもイライラしている人、気むずかしい人にはあまりやさしさが見られないようです。労働やストレスの激しい人は、普段冷静なときとは違った面が出ます。血の不足により、肝のもつ精気の減少で起こる精神作用です。

 


鈴木治療院
滋賀県彦根市後三条町350−3
TEL:0749-24-1502 FAX:0749-24-0408
E-mail:norinori@pop.biwako.ne.jp

【もどる】 【トップページ】 【つぎ】