養生法 W

養生法 W


 多くの方に経験があると思いますが、風邪は熱っぽい、だるい、咳、喉痛、鼻水などの不快な症状を伴います。季節の温度変化による風邪の侵入をさせない注意は前章で述べましたので、汗をかいたときについて書かせていただきます。仕事やスポーツの後に汗をかいて、外気に当たっていると冷気で汗が冷やされ、風邪を引くことがあります。この場合は、サッカーの試合などを見ていただくと分かりますように、汗をかいた選手は、休憩時間にマント状のジャンバーを着て、身体が冷えないようにしています。ですので、私たちも汗をかいたら身体が冷えないように、下着などを着替えることが養生法の正しい生活になります。

 もし風邪を引いた場合は、すぐに身体を温めて陽気をたくさん製造することです。それには鍋やスープ類などの水分の多いものを摂取します。漢方法での土しょうがや白ネギの煎じた温かい飲物や唐辛子なども良いです。一気に汗を出し、熱を発散させて、乾いた下着で静かに寝ることが早く治す方法でもあります。漢方には、熱冷ましはありません。早く汗と共に熱を発散させるのです。葛根湯などは陽気を造りだし、汗を出させる薬でもあります。また、甲状腺機能亢進の方々は、いつも元気で、陽気の多い方は冷風に当たっても寒邪の侵入が少ないと思われます。風邪の引きやすい人は、生まれながらに両親の体質を持って生まれた方もおりますので、秋冬は自分体質をよく知った上で予防しなければなりません。

 「冬」は万物が静かに沈んで、木々の枝葉もすっかり落ちて活動は休み、もっぱら春に向かっての貯蔵に全能力を集中している時期です。外界で大事なエネルギーが消費されないように、根に貯えています。人間も同じように、春になったら身体が活動するために、また頭脳が働くためにも体内の奥深くに陽気エネルギーを貯めようとしているのです。東洋医学では、腎臓が生命のエネルギー、精気、生気を養っていると解説されています。「冬と腎」「春と肝」の関係は、また説明させていただきます。

 沈んで、静かなる力が、陽気の発散を引き締めているのです。腎は、陰の性格を持つ臓器です。「陰の気」を持っているのです。ここで大事な精気や生気を出しすぎるとそれに相当する陽気も活動します。ですので、房事が多くなり、精気を使いすぎると身体がだるく、翌朝下痢することがあります。立ち仕事、冷えたところでの仕事も腎の陰の気に負担がかかりますので、気をつけていただきたいと思います。まして、冬は寒い日が続きますし、現在のように暖房施設のない時代の話であるということも考慮して理解してください。


鈴木治療院
滋賀県彦根市後三条町350−3
TEL:0749-24-1502 FAX:0749-24-0408
E-mail:norinori@pop.biwako.ne.jp

【もどる】 【トップページ】 【つぎ】