陰と陽 T

陰と陽 T


 春夏は陽とか、秋冬は陰とか、少し禅問答のようなことをいままで説明させていただきました。ここでは東洋医学の根底にある大原則の「陰」と「陽」について述べます。これを理解していただかないとこの医学が存在しないことになります。

 森羅万象、地球上に存在する全ての物質は陰と陽から成り立っているとの考え方なのです。「天地の道、万物の網紀、変化の父母、生殺の本始め」と古典(素問)に記されています。「生まれ、死ぬまでの始まりは父と母の陰と陽から、また万物のバランス、天と地の本の始まりは、陰と陽から」という意味になります。古代中国においての農耕生活を営むなかで、種子を蒔く正確な時期を知るために暦を必要としました。いつ頃種子を蒔くのか。日陰か、日なたか。どのような土地か。あらゆる経験のなかから少しずつ積み重ねられた集大成の古典であります。現代社会で世界中の物理学者が、素粒子論とかを研究していますが、「陰陽は全ての本なり」と記されていますように、元はプラス、マイナスの陰陽二極しかないのです。この陰陽二極が相互的にバランスを保っているのがよいのです。

 「地球上に熱気が生じ、浄化された清澄なる物質が天に昇り、天となす。その他の濁物は沈み、これが地となす。この両者が地上に合体することにて、万物が生ずる」と説いています。大事なことは、人間は自然の気を受けて生活しています。季節の働きに応じて生活を守ることが重要であることは、説明させていただきました。その自然は陰陽の変化と働きを上手に調和してくれているのです。自然界の陰陽が平等にあるように、身体の陰陽の気も平等にバランスよく保たれており、その陰陽の割合は季節によって変化するのです。この陰陽バランスの崩れが病なのです。例えば、夏の長雨などによる冷夏や冬の暖房などがこのバランスの崩れに当たります。

 人間の身体にある「陰の気」は、生命の原動力です。生命力、精気を貯え、陽気の発散を抑える働きがあります。陽気は主に身体の外表部を巡り、外界からの温度差に対して敏感に反応して、身体を衛る作用があります。秋風の冷風によって、寒邪が皮膚に侵入しないように防ぎ、風邪を引かないのは、この陽気があるからなのです。

 陽気は活動的であり、陰気はじっと静かに働きます。内容が専門的になりましたが、次章でもう少し詳しく説明します。  


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