運気論

運気論


 「運気論」と聞けば、開運、方位学など占いの話に思えるように、前回の十干十二支の陰陽と五行論の組み合わせより、占い、易学などを研究した集積があります。私たちは、占いを行うわけではありませんので、東洋医学として応用している内容を説明したいと思います。

 この医学の基礎概念は、自然界から得た知識や状況を一年通じて、いかに順応しているかを見ることが大原則となっています。この調和が崩れたり、日照や冷害、水害などで生活に被害が出てくるのです。このように、人体においても各臓がバランスを崩すと病気になることは、繰り返し何回も説明してきました。陰陽、五行論、相生、相剋とか聞き慣れない言葉が多く出てきました。運気論はそれらを全部まとめて総合的に判断した考え方でもあります。簡単にすんなりと理解することは、難しいと思いますが、一つ参考に今後の暦を見る度に自分なりの一年の運気を予想できる面白さもありのです。

 例えば、今年平成10年は、戌の年です。この戌は、五行説の順位で見ると木(甲、乙)、火(丙、丁)、土(戌、巳)の位置にあります。まず「木」は、樹木や木の性質を意味し、暖かい春のイメージで成長の姿としても見られます。「火」は、発熱作用や明るい太陽、夏の暑さなどを意味します。「土」は、大地、山の形を象徴しています。あらゆるものを生産する意味と腐敗させる土の意味も含まれ、季節の変わり目を象徴します。「水」は、水だけでなく液体を含んでいます。冷たい感、冬の季節を意味します。これらのことから占いですと、その方向で考えますが、東洋医学では「土」は堤防などを築いている川と考えられます。「土」は土地の性格であり、「戌」は陽になります。これらを総合的に考えますと、「土」は胃腸を表し、堤防が川の水の流れを変えるように、「土」と相剋関係にある「水」(腎)を弱める働きがあります。特に「戌」は土の陽なので、胃腸が強くなりすぎ、腎を押さえつけるのです。すにわち、胃腸が強くて、だるく、精神面では心配事が多くなります。「水」の作用としては、「土」の力で弱められることから、身体が冷えないように気をつけて下さい。もしこれが占いですと、「土」は中位で物事を始めるのに安定しており、陽の性格もあるので、雨が少ないというように、占い師は見るようです。

 さて、今年はどのような天候、景気、農作物、社会現象が現れるかとても楽しみであります。皆様も暦の表で、自分の生まれ年、月を選んでそれぞれの運気と自分の身体の調子を占ってみて下さい。今年の「土」は、もともと湿りがあるという性質も持っていますので、注意して下さい。


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