養生法 U

養生法 U


 養生とは字の如く、生命を養うことです。天命を全うして、永眠に就く日を迎えることができるのは、日々の生活の中でわずかな歪みも正すことが、大切になります。何事もそうですが、長く時間をかけて悪くなったとき、一気に早く治そうとするとかえって悪くなる場合が多くあります。その例が、庭木や園芸などで少し養いすぎて、葉は硬く縮み、花は咲いても花弁が茶色になったり、肥料のやりすぎで枯らしてしまった経験は多くの方が持っていると思います。しかし、慣れた農家のプロは、大して肥料を使わずに、立派な野菜を育てることができるのと同じことなのです。このように養生ができる大きな要素は、志のしっかりした人であることも考えられます。

 人間は、宇宙のなかで自然の一員なのです。その視線のなかで邪魔になる、外からの風邪、寒、暑、湿などを防ぐために私たちは、家の中で身を守り、強風や大暑の悪循環からも遠ざかっているのです。寒くなれば皮膚表面は閉じて、体温を保持し、暑ければ発汗して、身を守ります。また、もっと大事なことは内側から発生する怒り、思い、悲しみ、恐れなどの感情が過度になることを慎むことです。怒れば気がのぼせ、喜べば気が緩み、悲しめば気が消え、思えば気が結び、恐れると気が巡らず、とマイナスの働きを出してきます。その他に、自分の意志で動く重労働、暴飲暴食、セックスの過度なども百病の原因として説いています。特に、食物については、天寿を迎えるまで食べることにて、生命維持ができています。その食物をいかに体質に合わせて、応用するかが丈夫な身体で長寿まで過ごす源になりそうです。学者によっては、肉食動物のように普段はゴロゴロしていて突然に激しく行動する能力と草食動物のように、いつも同じ状態を維持している行動能力の差は、同じ人間の動物観としても最近の食生活が単調、もしくは簡単に外食ができるような食生活に何らかの関係があるように解説されてもします。

 確かに、古代の食生活と現代生活は合理的に比較してもほとんど間違いはないと思いますが、生活のテンポの速さに、私たちは大事な何かをどこかに置いてきてしまったのかも知れません。それについて、考えなければならない大事な曲がり角に今差し掛かっているのではないでしょうか。

 春に出るタケノコは、陽気がとても多い食物なので、これを上手に使うことが養生にも大変役立つのです。一日にぐんぐんと伸びるタケノコは、土の中に埋まっているときほど価値があるのです。タケノコを食べると吹き出物ができる胃腸の弱い方がいると思います。これは、陽気が多いのでこのような反応になって現れるのです。


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