波形

音作りの知識 パート1

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Part 2を作成しました。Part 2も合わせてどうぞ。音作りの知識 パート2

コンデンサーや抵抗の構造や役割などの基礎的な知識はエレキギターの電気回路の方で解説しておりますので、そちらもご覧になってください。このページもかなり重くなってきましたので、

チューブ・アンプについての参考書をお知りになりたい場合はオリジナル・アンプのページに掲載しています
目次
1. ギターの音色作りの苦労
2. ステップアンプ・トランスについて
3. ギター・アンプのワット数神話に惑わされないでPart1
4. ギター・アンプのワット数神話に惑わされないでPart 2
5. ポイント・ツー・ポイント ( Point To Point ) 配線って何?
6. ポイント・ツー・ポイントの欠点、短所
7. スピーカーの効率
8. 分布容量という言葉を覚えておこう

9. Blues Delluxe について
10. プリアンプとパワーアンプって何?
11. アンプのトーン・コントロール
12. アンプのトーン・コントロール Part 2 (ミドルの有り無し)

以下はパート2へ続きます

1. 何故シールド・ケーブルの違いによって音が変わるのか?
2.シールド・ケーブルの中でも2芯シールド・ケーブルの入手先
3.ブルースのお勧めCD
4.ジャズのお勧めCD
5.日本人ジャズ・ギタリストのお勧めCD
6.チューブ・アンプのクラス(A級とは?)
7.ツイード・アンプの音
8.フェンダー・ツイード・チャンプについて
9.ついに見つけたジャズギターの極意「おふとん Jazz 」


1. ギターの音色作りの苦労

こんな経験はないだろうか?バンドの中でギターの音を出す。自分にとって心地よい音色の出るセッテイングでアンプから音を出す。音量が大きくて他のパートとのバランスがとれない。そこでアンプのヴォリームを絞ってみる。するとアンプから出る音が自分のピッキングに追随してくれない。ピッキングニュアンスの反応が鈍い。高域のキラキラ感が失われる。中域や低域が減り、音の迫力が無くなる。要するに自分のハートが求めている音とは違う。そこで自分なりに考える。音量を自在にあやつりながら自分のハートが求めている音色を作ろうとする。

1.手っ取り早く歪み系イフェクターをつないでみる。「チューブ・アンプを歪ませた時の暖かいひずみ」という宣伝文句につられる。宣伝に使われている「チューブアンプの歪み」とはパワー・アンプ部の歪みのように受け取られやすい文句にしてある。音量をひかえめにしても、ひずんだ音が鳴っている。まるで催眠術にかかったかのごとく、あーこれで良かったのかと錯覚に陥る。あえて錯覚と書いたが書きすぎだろうか?いやイフェクターにつぎ込んだ金額が自分をそう信じ込ませようと働く心理作用は絶対にあると思う。チューブアンプのパワーアンプを歪ませた音とは、ほど遠い音であるのに。はっきり言うと、歪み系イフェクターはどう逆立ちしてもプリ部での歪みなのだ。ギターとアンプの入力の間につないでいる限り、そういう構造、原理、仕組みなのだから。(だからと言ってエフェクターを否定するつもりは無い。音のバリエーションとして、曲全体の中の一部のアクセントとして、とても有効であると思っている。)

2.ギターのピックアップを換えてみる。これまたその宣伝文句「中域と低域を足して音全体を元気にしてゲインも上げる」という全てOK、100点満点みたいな文句にさそわれる。ピックアップは簡単に試奏出来ない。ギターに組み込んでからでないとその音がわからない。宣伝文句は一体どんなギターに組み込んだときの表現なのか?アルダーボディーなのかマホガニーなのか?セットネックなのかボルト・オン・ジョイントなのか?弦テンションは?シンクロナイズド・トレモロの付いた時のテンションなのかチューン・オーマチック・ブリッジの時のテンションなのか?どんなアンプに突っ込んだ時なのか?フェンダー系のチューブアンプなのか、マーシャル系なのか、VOX系なのか、トランジスターアンプなのか?言葉で表現されたピックアップの音はあたらずとも遠からず。その通りの音とも言えず、違うとも言えぬ。結局なかなか自分の想像通りの音にはならないものである。

3.マスター・ボリューム付きのアンプに変えてみる。マスター・ボリュームを下げてボリュームもしくはゲインを上げる。これは厳密に言うとプリアンプのゲインを高めにしてパワーチューブへの入力信号を絞るということにほかならない。確かに全体の音量は下がる。プリアンプ部のゲインが高いので高域が強調された音になっている。しかし、、、なんか薄い音である。マスター・ボリューム無しのアンプのボリュームを気にせず、近所も気にせず、難聴になる危険も気にせずに出した時の音、魂が震えるような音に比べると明らかに、音が死んでいる。

4.「あーっ、そうやギターが悪いんや。ギター変えてみよう」となる。そしてかなり無理して高額なギターを買う。当然その時に「これは良いですよー」というセールス・トークが大いに背中を押してくれる。私のHPのギター評価なども参考にされる方もおられるかもしれない。

それ以外にも色々とあるだろうが、みなさんの誰もが一度は経験したことがあるのではないだろうか?そしてお店のスタッフの説明や雑誌の記事や、あるいは私のHPのレポートで「良い」と言っているのは本当にあなた自身にとって良い音なのか?人それぞれ個性というものがあり、人それぞれ魂が震える音というのには微妙に差があるのではないか。その差が微妙であり、且つ音作りが難しい故に、ある程度の音が出ると「これこれ」と妥協点を見出しているのではないか?

音作りの基本は自分の魂が欲っしている、気持ち良いと感じる音なのではないか。それを欲しいと思うがために逆に反対方向に行っていないだろうか?自分の満足いく音に近いけどいまひとつというときほど実はとんでもなく遠い反対側にいるのではないか?そんな不安を頭がよぎる。そして今まで随分お金も使っている。誰か親身になって俺の手助けをしてくれという気持ちにもなる。
このコラムを読んでいる人はそういう気持ちの人が多いかもしれない。

とても冷たく突き放した言い方をさせていただくならば「1〜4まで全て自分でやって経験を積めば納得できる音を追求する上で効率の良い方法が見つかりますよ」だ。「習うより慣れろ」である。百の知識を文字として読むよりまずやってみる。そして想像したとおりの部分とそうでない部分を切り分ける。再度やって見る。自分の論理的な切り分けが正しいかどうかを確認する実験もする。そしてひとつひとつ自分の知識経験として蓄積していく。そうすれば誰がどんな言葉を使っても、「ああこの事を言ってるな」とか「そういう表現の音のときはこっちをこうすれば良い」と自然にわかってくるのだ。

しかし、そんな手間と暇をかけて途方もないお金をつぎこんではもったいない。自分はそこまで冷たい奴でも無いと思っている。そこで最低限、誇張されたセールス・トークや宣伝文句、あるいは突拍子も無い迷信じみた「誰かがいっていた裏技」とかにまどわされない為の正しい知識や用語を自分の経験した失敗や成功を元に書いておこうと思う。これはあくまで営利主義抜きのボランティア活動として行う。私の目的は楽器屋さんやメーカーを悪く言うところにあるのでは全くない。情報過多の時代に、迷えるギター弾きの人々と知識を共有する事に意義があるのだ。

忘れてはいけないのは、同じギター、機材を使用しても弾き手によって音が異なるという事だ。
弦と指のタッチ、ピッキング、各種コントロール類の操作、全てがサウンドに大きく関わるのだ。
宝の持ち腐れにならないように弾く練習をなまけてはいけない。これは私自身へのいましめでもある。

私の本業は楽器屋さんでもなければ、アンプ製造屋さんでもなく、会社員だ。しかもエレキギターやアンプとはかけ離れた分野の仕事をしている。残業もあれば出張もあれば休日出勤もある。家族もいる。家は決して裕福ではない。必死で稼いで家族を養い、ローンを支払いつづけている。だから個人的な時間は非常に少ない。いわゆる休日や休暇の時はギターの練習とサウンド作りのことしか頭に無い。その限られた貴重な時間でサウンド作りの知識を蓄え、練習をし、ライブをこなしてきている。私は自分の時間の貴重さを知っている。だから他人様の時間も自然な感覚で貴重だと思っているつもりだ。このコラムがあなたの貴重な時間を割いて読むに値するものとなる事を祈っている。

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2. ステップアップ・トランスについて

年間平均5件ぐらい私のところにこんな質問が来る。(1).「外国で購入したアンプを日本で使う時は何かトランスにつなぐって本当ですか?」、(2).「聞いたんですけど、日本仕様の100V電源で使うアンプを120Vとかの高い電圧で使うと良い音がするんですか?」

(1)アンプの後ろの電源コードの近くに、そのアンプを何ボルトの交流電源で使用すべきか書いています。海外のものはその土地の言語で書いてますが AC115V などというボルト表示は共通です。その近くに消費電力なるものがW(ワット)で表示されています。このワット数はアンプが消費する電力のことでスピーカーを駆動する為のワット数、すなわちカタログとかに書いてある音の大きさの目安とするワット数よりはるかに大きい数字が書かれています。話がそれましたが、外国製でも正規代理店経由で輸入されたものは日本用に100Vで使用するように表示されています。この場合は100Vでそのまま使用してください。決してそれより高い電圧で使用してはいけません。
100V以上の電圧が表示されているときのみステップアップ・トランスという物を使うと、アンプ本来の設計どおりの稼動状態が保てます。例えば115Vと書かれているときに100Vでつないでも音は出ます。音的には少しヘッドルームが狭い感じ。チューブアンプだとボリュームの低めから早めに歪みやすくなります。これは正規の115Vで使うのと比べて差が15Vと比較的小さい場合に限られます。もしも220V等のヨーロッパ仕様のアンプだと音は劇的に悪くなるし、いくら100Vの方が低いといっても今度は低すぎて(120Vもの差)故障(特にチューブアンプの場合)となったりしますので、ステップアップ・トランスは必需品です。

(2)使用すべき電圧より高い電圧で使用する事は絶対にやってはいけない。火事になる危険性があり、火事となったら、100Vで使用すべきと知っていてそれ以上で使用したということで失火の罪に問われます。ところが先日娘の知り合いで我が家に遊びに来た若者から聞いた話であるがどうやら世間で「高めの電圧を使用すると良い音となり、実際に米国人のとあるプロギタリストがそうやって演奏したらしい。そのあとアンプは火を出して燃えたけど」などという風説が流れているらしい。ギターのサウンドにうるさく、日頃その手の雑誌とかにもよく目をとおす僕には聞いた事もない話である。どやらデマである。要求よりも高い電圧をかけると、チューブが受け入れられる限界以上の電圧と電流を受けてあっという間にまっかっかになる。その断末魔の叫びを聞いていることになる。よしんばなんとか持ちこたえた場合、音はでっかくなるがパワーチューブの暖かい歪みは電圧が低いときの方が出やすいのである。高い時には音圧はでっかくなっても暖かい歪みとは逆の音となるはずである。はずとしか書きません。危なくてやったことはありませんから。

100Vよりも高圧の正規の電圧を得るときに使うステップアップ・トランスの写真を下に載せました。100Vにつなぐコンセントがあり、その100V電圧を上げるトランスがついており、そのトランスには高い電圧を要求する機器のプラグを差し込めるコンセントが付いています。プラグが3端子となっているのは米国製の電気機器は安全の為にグランド用端子を付けているからです。日本の家庭用コンセントも電気屋さんに頼めばグランド付きのものを配線してもらえます。僕の部屋は全てグランド端子付きに配線してあります。このグランド端子は文字どおり、地中に埋め込んだグランドとつながっていないとその意味がありません。

ステップアップトランス

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3. ギター・アンプのワット数神話に惑わされないでパート1

ギター・アンプに話をしぼります。チューブアンプです。項目2でアンプのワット数について少し触れたので、詳しく話しておきます。現行機種ではフェンダーのツイン・リバーブのリイシューは85Wです。デラックス・リバーブのリイシューは22W、Hot Rod Deville は60W、マーシャルは50Wか100Wが一般的です。VOX AC30 や Matchless DC30は30Wです。さてこのワット数なんですが、どういう印象を持っていますか?音の大きさというように捉えていますよね。確かにワット数が大きい程、音は大きくなりますが、聴感上は100Wのアンプは50Wの倍の音量まで大きくはならず差はわずかしか無いのです。

まずこのワット数とは何なのかを述べます。
ワット数は電圧(V)x電流(A)で表されます。電圧に電流を掛算した値です。電気で仕事をさせる場合、(ギターアンプはスピーカーを振動させる仕事の場合です)、電気の力を表すのにワットを使います。これは電圧だけかかっていてもだめで、実電流が流れて初めて物理的に仕事ができるためです。電圧だけでなく電流も考慮した値、すなわちワットで電気のちからをあらわすのです。身近なところでは電球や蛍光灯のように光を発するという仕事に要する電気の力が60W必要な場合、60Wと表示されています。ギターアンプの場合、スピーカーを振動させる為のワット数のほかにアンプ全体での消費電力としてのワット数の表示があります。今僕のそばにあるフェンダーのブルースJr.の場合、180Wと書かれています。ブルースJr.の公称出力は15Wです。スピーカーを振動するという為だけに使用される電力は15Wで180Wから15Wを差し引いた残りの165Wは異なる仕事に費やされる事を意味します。その仕事とは、真空管はヒーターを暖めてやらないと作動しないので、そのヒーターを暖める仕事。ギターから入力された信号をプリアンプで、ある程度の大きさに変換する為のプリアンプ内での増幅の仕事。内部にたくさん配線してある抵抗やコンデンサやトランスで熱として損失してしまう電力等です。

さて、ワット数が電気の仕事の大きさを示すことはわかりました、またワット数は電圧と電流の積(掛け算)で得られることもわかりました。そしてギターアンプの公称出力はスピーカーを振動させるためのワット数ということも述べました。つまり、スピーカーを振動させるのにどれだけの電流と電圧を使えるかを示す指標がアンプのワット数なのです。それと音の強さとは相関関係があり、大きいワット数ほど大きい音であろう事は容易に想像がつきますが、倍のワット数だと音は倍の大きさにはならないのが、自然界の不思議なところです。
人間の耳はデシベル(dB)という単位で音の強弱を感知します。
対数というのを覚えていますか?数学でならったことのあるlogを使用します。簡単にいいますと人間の耳が10デシベルの音の2倍の大きさと感ずる音の大きさは20デシベルです。さてこれをワット数に換算しますと。今仮に10デシベルの大きさの音を出すのに10Wの力が必要だと仮定します。(実際はもっと大きなデシベルになりますが、話を簡単にするためにそう仮定します)。20デシベルでは20Wではありません、100W必要なんです。言い方を変えますと、100Wの半分の音量で良い場合には10Wあれば十分なのです。100Wの約1割5分ほど小さい音(17デシベル)で良いときには50Wで良いのです。もっと言い方を変えると50Wのアンプの代わりに100Wのアンプを使ったとしても音量的には決して倍にはならずたったの約2割弱増すだけなのです。ちなみに22Wのアンプで13.5デシベル。30Wで14.8デシベルです。60Wで17.8デシベルとなります。
100Wより上のデシベルも見ておきましょう。200Wのアンプは21デシベルしか出せません。300Wで22デシベル。100Wアンプの倍の音圧の40デシベル欲しい時は実に10000W必要です。
もうおわかりですね、僕が何を言いたいかは。6L6GCを4本使用してその真空管のギリギリの性能である120Wをしぼりだすアンプは20.2デシベルの音圧しか出せないのです。100Wのアンプで20デシベル。85Wのブラックフェース・ツイン・リバーブで19.3デシベルも出せます。
同じパワーチューブを使用している異なるアンプを比較した時にワット数が10W高いからといってワット数の大きい方が良いと思うのはあんまり意味が無いのです。むしろ、どういうタイプの真空管を使っていて、どういう回路構成にしているかに着目してより良い音、自分に合った音のアンプを求める事が早道だと思うのです。

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4.ギター・アンプのワット数神話に惑わされないでPart2

スピーカーを駆動させるのはパワーアンプです。もう少し分かりやすく言うと VOX や Blues Jr. はEL84というパワーチューブがスピーカーを駆動します。ツイン・リバーブや Hot Rod Deville は6L6GCというパワーチューブでデラックス・リバーブは6V6GTというパワーチューブがその仕事を行います。
さらにもう少し厳密に言いますと、パワーチューブは直接スピーカーにはつなげられません。パワーチューブはだいたい400V近辺の電圧と数百ミリ・アンペアの電流で動作しますが、スピーカーにはそんなに高い電圧は加えられません。それでパワー・チューブとスピーカーの間をOPT( Out Put Trans)という出力トランスでつないで電圧と電流を変換します。スピーカーは数十ボルトの電圧と数アンペアの電流で駆動します。この時の仕事の量は理論的には同じになります。トランスを介して電圧を変換した場合に仕事量であるワット数は変換されません。つまり数百ボルトの電圧を数十ボルトの低い電圧に変換すると、数百ミリ・アンペアの電流は数アンペアの大きい電流に変換されるのです。結果として電圧x電流の積で得られるワット数はトランスの前と後ろで同じとなります。これをエネルギー保存の法則と言います。ところがこれはあくまで理論上の事でさらに厳密に言うとトランスで電圧を変換する際に電気のロス(損失)が発生してスピーカー側ではパワー・チューブでのワット数よりも少な目のワット数になります。そのロスの度合いはトランスのメーカーの違いやトランスの仕様の違いにより異なります。ロスするのは何ワットかの仕事量です。何かの仕事をしないといけません。それはトランスで熱を発生させるというアンプにとっては不要な仕事に消費されてしまうと言えます。
つまりはパワー・チューブで発生させたエネルギーは100%スピーカーには伝達できないのです。トランスでのエネルギー・ロスが必ず発生するのです。その度合いはOPT(出力トランス)の性能により異なりますがどんなに性能の良いものでも損失・ロスはまぬがれません。そしてこの使用するOPT、出力トランスの違いで音は激変します。

さて話をパワーチューブに戻して、これらのパワーチューブにはかけることが可能な電圧値と流して良い電流値がチューブのタイプ毎に決められています。例えばポピュラーな6L6GCでは一本当たり30Wの仕事以上の仕事をさせてはいけないことになっています。それ以上の仕事をさせると早晩故障してしまう限界の値です。6V6GTで約10Wです。で6L6GCを2本使ったアンプは60Wまで仕事をさせられる事になります。6L6GCを4本使ったアンプだと最高で120Wとなります。しかしこれは理論上の話です。

そんなにギリギリの値で使ってるのでしょうか?通常は真空管の品質のばらつきを考えてギリギリの値より低めで設計するのが安全でしょう。これ工学系技術者の常識です。ブラックフェイスのツインリバーブは6L6GCを4本使っていますが85Wと控えめにしてあります。レオ・フェンダー氏は本当に尊敬に値する技術者です。ところがそれに反して6L6GCを4本使って120Wの出力ですとしているアンプはたくさんの真空管の中からきちんと理論上の最高出力を出しても壊れないものを選抜して使わないといけないとか、真空管の製造上のバラツキをなんらかの手段で取り除く苦労が多くなります。
そういう苦労をしてまでも真空管の仕様ギリギリで設計生産されたアンプですが、そこまで苦労してギリギリの出力にするメリットはあるのでしょうか?私は無いと考えます。少なくとも演奏する立場としてはメリットは見当たりません。ところが売る立場ではメリットがあるのです。何故でしょうか?それは買う側の迷信じみた思い込みに原因があります。ワット数が高い程、余裕があるような気になるから。大は小を兼ねるという考え。

非常に興味深い実験データがあります。ネット上のUSのサイトで見つけました。
公称出力100Wのアンプについてのデータです。出力管に6L6GCを4本使っており、バイアスは固定バイアスを使用しています。このアンプのバイアス調整は入念に行われて、最良の状態にされています。このアンプに電圧・電流測定器をつなぎ、トーン・コントロールを全て5にして、入力には歪まないギリギリの大きさで波形の整った正弦波を入れます。そしてボリュームを少しづつ上げながらパワーチューブから出力される波形を観測し、電圧と電流を計測し、その掛け算をしてワット数を実際に計測したものです。下の表1はトーン・コントロールは全て5にし、アンプの入力には100mVの電圧で400HZの周波数の正弦波を加えています。さてじっくり表を見てください。

表1.Volume の大きさとワット数の関係 Tone=All 5
Volume つまみ 2 3 4 5 6 7 8 8.5
ワット数 0.02W 1.1W 4.3W 11.6W 21.2W 36.0W 71.4W 87.4W

ボリュームつまみが小さいと出力されるワット数は小さいですね。あたりまえです。 Volume が8.5以上の時のワット数が書いていません。理由は、 Volume が 9でも 10でも 87.4Wより大きくならなかったからです。実際にギターをつないだ時にも同じです。但し8.5と10とでは音色は変化します、けれど出力は同じなんです。しかしよく考えてみてください。これ100Wのアンプなんです。。。。。理由は?車のカタログ上の馬力と似ていまして、計測条件や環境により左右されるから、、、さらには「100Wになるはず」という理論値で設計してもその理論値とおりには出力が出なかったという事も考えられます。そのバラツキは?真空管、トランス、抵抗、コンデンサ、この世に存在する全ての工業製品はバラツキを持っています。まあ、あまりに厳密にワット数が100Wでは無いということを強調するつもりはさらさらありません。私の主旨は別なところにあります。みなさんは100WのチューブアンプのVolume をフルテンで演奏した事ありますか?僕は何度もあります。このアンプを Volume フルテンでバンドの中で演奏したら多分、バンドから追い出されます。つまり87.4Wでも十分にウルサイのです。で、Volume をあまり上げないで演奏するんじゃありませんか?
Volume 3で十分と感じる人、1.1Wしか必要ありません。まあ大きくてせいぜいVolume 7ぐらいですか、すると36Wありゃー十分な訳です。(36Wで15.6デシベル出ています。)ここで私の好きなパワーチューブの歪みに話を持っていく。多少無理やりかもしれない。尚、パワーチューブの歪みがどんなものであるかを言葉で書くことはここではしない。自分で体験するしかない。敢えて言うとすれば、私の魂を震るわすサウンド、これだと思った瞬間、パワーチューブがたまたま歪んでいたという事だ。魂が震えなかった時、たまたまパワーチューブは歪んでいなかったというだけのことだ。例えどんなに高級なエフェクターで歪みを作っていたとしても。
話を戻して、このアンプはVolume 8.5以上でようやくパワーチューブが歪み出します。しかも公称出力100W出すには整流部に5AR4のような整流管を使えません。5AR4を使うと100Wの出力が出ないのだ。だからこういうアンプはダイオード使ってます。ダイオード使ってるとこれまた歪みにくいのです。(この辺の話はまた後日じっくりとします。) Voluem 3 や Volume 7 ではとてもとても歪みません。であるならば30W近辺でパワーチューブのひずみの出るアンプの方が音量も十分だし、暖かいパワーチューブの歪みも得られるということが言いたかったのです。つまり30Wで魂の震える音が出ればそれで良いのではないか。何もワット数にこだわる必要は何も無いと私は思う。

ところで、私とは違ってパワーチューブの歪みなんか嫌いな人は、ワット数の高いアンプをお選びください。ヘッドルームが大きいと表現されるような、大きな音量でもクリーンでサステインの少ない音が出せます。エフェクターとかアンプについているオーバードライブとかでギターの音色を作った場合、加工した音色にアンプのパワー部での歪みが加わる事なくそのまんま拡声する事ができます。この時アンプそれぞれにやはり音色があります。自分の愛用ギターとエフェクターと、アンプとの相性を耳で確かめてください。そして整流部にはダイオードの物を選びなさい。最大ワット数付近でも腰砕けにならない逞しいクリーンサウンドをキープしようとしてくれます。整流管のを選んではいけない。整流管はキラキラとした輝きにも似たパワーチューブの歪みを出してしまいがちです。あーそれから、とても大事なことです。大きなワット数をお望みの方はA級仕様のアンプは向きません。A級アンプはワット数小さめでないと実現不可能ですから。チューブアンプはAB級からB級の設計にしないと大きな出力にならない宿命ですから、お間違えの無いように。

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5.ポイント・ツー・ポイント ( Point To Point ) 配線って何?

ポイント・ツー・ポイントの例

ポイント・ツー・ポイント配線とはアンプやイフェクターの内部で電子部品や電気部品を配線する際に
プリント基板を使わずに銅線や銀線等の配線材料のみを使用して端子から端子へとつなぐ配線方法の事を言います。下の写真はマッチレスのチューブ・ディストーションの内部です。あまりにも美しいポイント・ツー・ポイント配線だったので、修理のついでに写真を撮らせてもらいました。部品の端子から端子へ配線材料(ワイヤー)だけできれいに取り付けられています。
ポイント・ツー・ポイントの配線例1.

また次の写真は銀パネの Fender Bassman です。黒い板の上に抵抗やコンデンサー部品がのっかってはいますが、この黒い板には部品を取り付ける穴とハトメが付けられているだけで、プリント配線はありません。部品同士はワイアーでつながれています。


プリント配線の例(PCB)


ポイント・ツー・ポイントに反してプリント基板を使用した配線が下の写真です。プリント基板(きばん)は「基板」とバンは板という漢字を使います。漢字変換そのままで基盤と書いている人を見かけますが、間違いです。元々 Print Circuit Board の日本語です。 Board は板のことです。海外では PCBと略されていることが多いです。プリント基板の場合抵抗やコンデンサのパーツは、写真では緑色の基板の上に乗せられています。そしてその基板には写真製版によりプリントされた後にエッチング処理により加工された銅の配線経路があり、そのプリントされた銅配線により部品同士が接続されています。下記写真のアンプはプリント基板からチューブのソケットまではワイアーで配線されています。
チューブ・ソケット以外はプリント基板に直付けの例。

しかし、もっとプリント基板を多用したアンプでは、チューブのソケットもプリント基板に直付け、ボリュームやトーンの可変抵抗も基板に直付けにし、ほとんどの配線がプリント基板となっています。そういうアンプの例としてはフェンダーの Blues Jr. がそれにあたります。
下の写真がブルース・ジュニアです。

ブルースJr.のプリント基板配線その1
チューブソケットもプリント基板に直付け

ブルースJrのプリント基板その2
ボリュームも基板に直付け

音の差は


では音の違いは?
ポイント・ツー・ポイントの方が良いようです。クリアで音圧が高くて、変なミドル落ちやハイ落ちが少ない音です。プリント基板を使ったアンプはかなり音が削られ、暗く、音圧の低い音になる傾向があるように思います。理由は第1にプリント基板を使用した時には分布容量が増大するからと考えられます。プリント基板は細い配線が平面状に所狭しと密接してプリントされています。そうすると電圧の異なる線同士が隣接して、しかも長く並走するということを避けられません。銅線と銅線の間のギャップは基板のプラスチックにより絶縁されています。突然ですが、ここでコンデンサの構造を思い出してください。コンデンサは+電極と−電極の間に絶縁膜を設けてあるだけですよね。そうなんです。意図していないのにプリント基板上の銅線と銅線の間にコンデンサが形成されてしまうのです。しかもコンデンサの容量の値は2極が隣接する幅が短い程、また隣接して並走する距離が長い程大きくなるのです。そしてコンデンサの特性を思い出してください。その値が大きい程、交流を流すのでした。ギターの音は微細な交流波ですね。そうです。この分布容量はせっかく増幅しようとする音の波を削ってしまうのです。これに対してポイント・ツー・ポイントはこの分布容量がプリント基板よりは少ないのです。勿論、ワイアー同士を隣接したら分布容量は発生します。しかし、ポイント・ツー・ポイントの場合、2次元の平面配線ではなく3次元の立体配線です。ですから隣接している距離が自然と短くなるのです。これは設計の段階から意図されていたことではありません。プリント基板の技術がなかった当時はこのポイント・ツー・ポイントの配線方法しかやりようがなかっただけなのです。では何故最近のアンプはプリント配線が使用されているのでしょう。理由はコストです。ポイント・ツーポイントですと全ての部品を配置し、手で持ちながら、全ての配線を人間が手でハンダ付けしないといけません。プリント基板の場合、部品をプリント基板に乗せるという作業は簡単です。しかもそのハンダ付けはソルダー・フローと呼ばれる熱せられたハンダの噴水の上をプリント基板のハンダ付け面を下にして通せばほんの一瞬で済みます。もしも大量に生産するのであれば人件費が大幅に節約できるのです。ブルースJr.がオールチューブでありながら、あんなに安い定価にできるのはこのプリント配線基板によるところが大なのです。コンピューターのようにある一定の境界値の電圧があるのか無いのかを判定できさえすれば良い回路ではプリント基板の分布容量なぞ全く影響はしませんが、微細な音を聞き分ける人間の耳はアンプに使用された時にそれを聞き分けてしまうのです。(こんなところから僕はアナログ回路がおもしろくて仕方無いのですが。)第2の理由としてプリント基板の銅線が平たく、ポイント・ツー・ポイントのワイアーが円柱状であるからというのがあげられます。銅線の中を電気が流れる時に周波数の高い信号ほど線の外周よりを流れようとするのですが、円柱状のワイアーに比べて平べったいプリント配線は音に影響する高い周波数をその平べったい形状のために流しにくいのだと言う説です。僕の解釈は平べったい線よりも円柱状の線の方が3次元的自由度が多いので電気が流れやすいのではないかと思っています。そして何よりもプリント基板の配線の銅線の断面積の小ささが致命的でしょう。厚さ数ミリ幅5ミリにも満たない線でパーツを結んでいるのですから、抵抗値はポイント・ツー・ポイントに比べ高くなり電気が流れにくいというのは用意に想像できますよね。第1の分布容量説が音のハイ落ち(暗い音になる)を、第2の配線形状説が音圧の低下を表しているようです。これらはポイント・ツー・ポイントとプリント基板を実際に聞き比べた時の感触と合っているように思います。

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6.ポイント・ツー・ポイントの欠点、短所

上記の5項では、ポイント・ツー・ポイントのよさばかり強調されてしまった気がする。しかし世の中そう甘くはない。天は弐物を与えずとはよくいったものだ。良さの裏腹のところに欠点や短所もあるのだ。軽くて良い音のするチューブ・アンプが欲しいという声をよく耳にする。あれは不可能である。良い音のためには良いトランスが必要である。良いトランスは重い。必然的に良いアンプは重くなるのだ。また話が脱線したので元に戻る。ポイント・ツー・ポイントは3次元配線である。平面状に配線されてはいない。という事は線が立体交差する場所が出てくる。これが曲者なのである。そしてこの立体交差する線の一本が信号の通る線でもう一本が高い電圧をもった真空管へのDC電源供給用の線である場合や真空管のヒーター電源用の線である場合に問題が起きる。電源供給電圧の役目は真空管のエネルギー源である。これは無くてはならないが、大抵の場合、ギター信号には不要なノイズ成分を含んでいる。家庭のコンセントの交流信号と同じ周波数の60Hzやその倍の120Hz等は最たる例である。(関東地区にお住まいの方は50Hzもしくは100Hz。東京電力は明治時代に発電機を英国から輸入した為50Hzを今でも使いつづけている。関西電力は米国から発電機を輸入したので60Hzである)そしてこの電源用の線を信号線がまたぐとそのノイズが電磁誘導により信号線に乗っかってきてしまうのだ。だからポイント・ツー・ポイント配線の場合には一緒に束ねる線や、立体交差でまたぐ線に乗っかっている電気の種類に非常に神経を遣って配線してやらないと、ノイズの多いアンプになってしまうのだ。ただでさえ手作業が多い配線にさらなる面倒さが伴うのである。いくら図面上で美しく配線図を書いてもいざ組み込んでみるとノイズが発生してしまう。英知を絞って限られたスペースの中で最もノイズの出にくいポイントを探して配線を整えるという作業になる。
一度完成してしまえば同型のアンプを再度作る時にはその通りに配線すれば良い。ところがこれで失敗したのがシルバーフェースのツイン・リバーブであると言われている。その昔、レオフェンダーから Fender 社がCBS社に売却された。アンプの回路図と配置図を譲り受けたCBSフェンダー社ではアンプの回路図に手を加えて85Wのアンプを100Wに改造した。そこまではよかったのだが、アンプの中のノイズ発生のメカニズムがその改良により崩れてしまった。そこで試行錯誤して配線経路を一からやり直すにはコストがかかりすぎるので、さらに設計を変更して電気回路的にノイズを除去することにしたのだ。普通なら不必要であるはずのキャパシターを信号の通り道のあちこちに付けてノイズを除去した。おかげでノイズは減ったが、信号線を流れる信号に含まれる貴重な倍音までノイズと一緒に捨ててしまったのだ。
ということでポイント・ツー・ポイント配線というのは手作りの配線に要する労力と時間は計り知れなく多くかかり、アンプの値段も高くなってしまうという欠点があるのである。しかもとてもきれいに配線されたポイント・ツー・ポイント配線を施した高額アンプの中にも結構ノイズ・レベルの高い物があるのはこの配線のドレスアップの難しさを物語るのである。
それに比べてプリント配線は平面配線である。ノイズ源の線と平行して信号線を走らせないという配慮でプリント基板の経路を設計しさえすれば、ノイズは発生しにくいのである。立体交差は起こらない。これはあまり宣伝されないが結構聴き比べで実感できるプリント配線の長所である。
よって世の中、一長一短なのである。多少の音質ロスには目をつぶって安価でノイズも少なめのアンプにするか、絶対的に音質優先にして高額なお金を支払うか。音質も低ノイズも低価格も、全て欲しいのが人情ではあるのだが。但し、強調しておくがここで述べた音質低下やノイズは音作りの上で「気になる」という種類のものである。音作り以前のとてつもなくひどい音質ロスや大きなノイズはアンプの故障もしくは欠陥である。
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7.スピーカーの効率

スピーカーのカタログによく効率、あるいは感度 (m /1W) という記載があります。90db とかいうようにデシベルが書いてあります。デシベルについての説明は項目3.を参照してください。今仮に100db/Wのスピーカーがあったとします。このスピーカーに1Wの電力を加えるとスピーカーの1m先で100dbの音圧が得られます。では90dbのスピーカーの場合、100db/Wのスピーカーに比べて10db分効率が悪いので1m先で100dbの音圧を得るには10W必要という事を表しています。80dbのスピーカーの場合は差は20dbですから100Wも必要となります。スピーカーの効率でこんなにも同じ音圧を得るためのワット数が変わるのです。ですから、アンプのワット数がいくら大きくてもスピーカーの効率が悪いとワット数の小さなアンプに負けてしまうこともあるのです。このへんのところがちまたではあまり議論されていません。みんなアンプ本体のワット数ばかり見ています。スピーカー効率も考慮に入れて音が大きいとか小さいとか言うべきなのに、、、本当に残念です。

それからスピーカーには許容入力という表示があり「300W」とか「連続300W、ピーク700W」とか書いてあります。これはそのスピーカーに加えても良いアンプの電力を示しています。ピーク700Wとかいうのは連続ではだめだけど瞬間的には700Wでも耐えられます。という意味です。決して出せる音圧ではありませんのでお間違いなく。通常はアンプのワット数の倍以上の許容入力のスピーカーをつなぎます。何故ならアンプのVolume をいじらない状態でも、弾く音の高さによって出力されるワット数が大きく変化するから。4項で述べたアンプのワット数の測定はおんなじ周波数の波をずっと入力しっぱなしで測定したものです。通常の使用ではいろんな音を弾くので、アンプから出力されるワット数はじっとしていません。ですから瞬間的にアンプのワット数を越える電力はスピーカーに加わることがあるのです。
それともう一つ。これまた迷信じみた話を例の娘の友人とやらの若者から聞きました。アンプのワット数ギリギリの許容入力のスピーカーがええ音がするなどという事を言っている人がいるらしいのです。そんなん使ったらスピーカーがいつ飛ぶかわかりません。そして飛んだら、簡単には直らない故障します。特にチューブアンプの場合、出力トランスが壊れる可能性が高くなります。トランスは高くつきまっせー。許容入力とはスピーカーにしようされているボイス・コイルに流す事のできる電圧と電流の積です。つまりそれを超えるとボイス・コイルにとって過電流が流れて焼ききれてしまうのです。そしたら今度は負荷の無くなったアンプの出力トランスは今まで引っ張っていた荷物から解放された暴れ馬のごとく暴走をはじめ、ついには自分自身を焼きつかせるような電流を自分の中で流してしまうのです。良い子は決して真似をしないでください。

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8.分布容量という言葉を覚えておこう

分布容量、何やら聞きなれない言葉である。しかし電気回路理論では必ず出てくる用語である。
これが理論だけでなく身近なところで体感したり影響したり、ギタリストにとっては重要な考えであるのでひとつ覚えておいてほしい。分布容量の「容量」はキヤパシタンスつまりコンデンサーの働きのことである。そのコンデンサーの働きが分布して存在するのである。働きと書いたのはコンデンサーそのものが存在するのではなく、意図しないところにコンデンサーと同じ働きをしてしまうものが発生するという意味である。

図1.は信号の通る線を赤色で書き、電位が0Vの線もしくはシャーシー等電位が0Vの導体を青色で書いたものだ。身近な例ではシールド・ケーブルの芯線が赤、芯線の周りのシールドを青と思っても良い。 図1.では赤色線と青色線の間には絶縁層や空気があり電気的つながりは無い。ところがその絶縁層や空気を介して目に見えないコンデンサが形成されてしまうのだ。それを等価的に表現したのが図2.である。この目に見えないコンデンサは直流に対しては影響は無い。(エレキギターの電気回路参照)ところが交流に対しては影響があるのである。コンデンサーはその値が大きい程たくさんの交流を通してしまうという性質がある。言い方を変えると小さい値のコンデンサはある一定の周波数より上の周波数をもった交流を通してしまう。これはトーン・コントロール回路のところで述べたとおりである。この分布容量というやつは何マイクロファラッドという値こそ持たないが最低限ピコファラッドの単位は存在するのである。その値は、赤と青の線の相対距離が接しているほど、また平行して走る距離が長い程大きくなるのだ。そしてその値の分だけ大事な音信号の高周波を逃してしまうというやっかいものなのだ。シールド・ケーブルのカタログ値に「150pF/m」とかいう数字が書いてあるのをご存知であろうか?これはそのシールド・ケーブルが持っている分布容量の値を示しているのだ。150pF/m とはそのケーブル1mで150ピコ・ファラッドの分布容量を持っている事を表す。さてこの分布容量の値が大きいのか些細なものなのか? フェンダーのアンプのトレブル・コントロールは250pFが使われている。プライトスイッチには100pFが使われているのだ。もちろんコンデンサの値だけですぐさまロスする周波数が決まるのでは無く、抵抗値と組み合わされて共振周波数が決まり、その周波数がロスされるのであるが、結構やばい値であることは実感いたただけると思う。

9.Blues Delluxe について

プルース・デラックスは1994年から製作されていました。当時の定価は$579でした。

1.外見とコントロール
Blues Dellexe は見た目がツイード・アンプです。コントロール類は上向きに付いています。
フットスイッチで切り替え可能で、ノーマルは Volume 1個、ブーストではドライブとマスターの2個で音量調節します。トーンは共通でトレブル、マスター、ミドルです。リバーブも付いています。あとプレゼンスも付いています。トーン・コントロールはプリアンプ部の音質を触りますがプレゼンスはパワーアンプ部での高域調節をする機能です。

2.回路的な特徴
<プリアンプ部>
ミドルには、おなじみのフェンダー・アンプに使われている0.047μFのコンデンサーより値の低い0.022μFのコンデンサーが使われているのでプリアンプで作られるサウンドが多少異なります。より、低域強調。さらにプリアンプ間をつなぐコンデンサーには値の大きめの物が使われているのでこれまた太めのサウンドになっています。プリアンプ自体としてはベースマンに近め。但しパワーアンプ部が異なるのでベースマンとは異なるサウンドとなります。
<リバーブ>
リバーブのドライブ(駆動)にはお馴染みの12AT7真空管ではなくてトランジスターが使われています。サウンド的には暖かいリバーブ・サウンドというよりは冷ための、はっきりとしたリバーブとなります。
<パワー・アンプ>
パワー部にはかなりの高電圧427Vがかけられていますので、クリーンサウンドを大きな音で鳴らすのが得意。整流部がダイオードであることも手伝って、パワー・チューブでの歪みを極力なくしています。
<ドライブ回路>
ドライブ回路は12AX7の半分の回路だけを使って、ゲインを稼いでいるだけです。もう1個の回路は遊んでいます。
注)12AX7は1個の真空管の中に2個の増幅回路が入っています
ダンプルやツイン・アンプ等に使用されるドライブ回路は12AX7一本分まるまる使って2個の増幅回路を使用していますので、よく歪みますがこのブルース・デラックスでは派手な歪みよりも控えめな歪みのハイゲインのサウンド、ブルースのソロでよく使う音を狙っていると言えます。が、プリアンプでの歪みだけしかありませんので、暖かさに欠けています。この機種の弟分のブルース・ジュニアはドライブ回路にトランジスターを使っています。ブルース・デラックスの方がブルース・ジュニアよりは歪んだ時の音の輪郭ははっきりしています。
<他のトランジスター>
フットスイッチの切り替えをするとリレー回路でブーストとノーマルを切り替えています。このリレーを引くためにトランジスターが使用されています。イフェクト・ループのドライバーとレシーバーもトランジスターを使用しています。
結構たくさんのトランジスターが使用されていますが、肝心な部分はチューブのままですので、オールチューブと呼んでも差し支えないでしょう。

3.ブルース・デビルとの違い
回路的にはほぼ一緒ですが、 Blues Deville はスピーカーの数を増やしてインピーダンスを下げています。従ってOPT(出力トランス)のインピーダンスも低い物を使っていて、より多くの電流が流れることにより表示ワット数が60Wとなっています。

4.Hot Rod との違い
回路的にはほぼ同じですが、Hot Rod では More Drive というスイッチがあります。控えめだったブルース・デラックスのドライブ回路を変更してより多くの歪みを得るようにしたものです。トランジスタを加えたのか、遊んでいた12AX7の1回路を使用したのかは回路図が無いとわかりません。いずれにしろパワー部は同じだと思います。(推測です)

5.配線
配線には間違いなくプリント基板が使用されているものと思います。従って、改造は非常にやりにくいでしょう。まずは整流回路をダイオードから整流管に変えたいところですが、プリント基板だと手間がかかります。ポイント・ツー・ポイントだとこの辺はとても楽ですが。整流管はヒーターとして5V電源が必要ですが、電源トランスに5Vのタップが無いので、まずはトランスの変更からはじめないとだめでしょう。次にシャーシーに整流管用の穴をあける必要がありますが、アルミではなく鉄のシャーシーなので穴あけも大変な労力がいります。

こんなところかしら。

10.プリアンプとパワーアンプって何?

もうすでに良くご存知かもしれません。再確認の意味も込めて書いてみます。

1.パワーアンプ
パワーアンプはスピーカーを振動させるエネルギーを作り出す部分と言えます。いわばアンプの心臓部、車のエンジン部分に相当します。この部分の出来の良し悪しがサウンドの全てを決定すると言っても過言ではありません。
パワーアンプという名前の由来。パワーアンプは入力された電圧信号を「電圧と電流の掛算」としてえられる電力(パワー)に変換する機能があります。この力によってスピーカー駆動します。電圧だけ大きくなっても取り出せる電流が小さいと物理的に物を振動させる力が出ないのです。
チューブアンプの場合、ここに使用される真空管の事をパワーチューブと呼びます。6L6GC、EL34、EL84等のタイプで呼ばれます。尚真空管の呼び名はヨーロッパとアメリカで異なっており、EL34は6CA7、EL84は6BQ5とも呼ばれます。この頭の6という数字は真空管を暖めて使う(暖機運転)ヒーターに供給する電圧が6.3Vであるところから来ています。
パワーアンプに直接ギターの信号を送り込んでも良い音は出ません。理由はギター信号が小さすぎて十分にパワーアンプをドライブできないからです。ギター信号はせいぜい100ミリボルトから200ミリボルトぐらいの電圧です。パワーアンプには数十ボルトぐらいの電圧が入力されないとその能力いっぱいのスピーカー振動の力が発生しないのです。

2.プリアンプ
そこでギター信号の数百ミリボルトの電圧をパワーアンプの入力としてふさわしい数十ボルトの電圧に大きくしてやる役目をするのがプリアンプです。小さい電圧を大きい電圧(電力でなくて良い)に変えるので電圧増幅器とも呼ばれます。数百ミリボルトから一気に数十ボルトにできないので2段から3段の増幅を行います。ですから、この部分につかわれる真空管をプリ・チューブと呼びますが、パワーチューブとは違うタイプのチューブです。12AX7という管が最も良くつかわれています。その他に12AT7も良く使われます。12AY7や6SC7はビンテージアンプでは見受けられます。
ギターアンプの場合、単に電圧増幅するだけでなく音色付けをプリアンプで行います。その顕著な例がトーン・コントロール回路です。バス・トレブル・ミドルのつまみと ボリュームつまみもここに付いています。このトーン・コントロールはパッシブ回路です。つまり、原音からある特定の周波数を削る方向で音作りがされます。では全てのコントロールの目盛り10が何も削らない音かというと、目盛り10でもある程度け削られてしまっています。これはギターのトーン・コントロールと同じです。その辺のトーン・コントロールの話は次項で詳しく解説します。
音色付けという観点からリバーブ回路はプリアンプの中で処理されます。
ギターから来た信号を1度増幅し、トーンで音を整えて(削って)2回目の増幅をしてからリバーブドライブ回路に送ります。このリバーブ・ドライブ回路でさらに増幅された信号は金属製のスプリングの中を通されます。戻ってきた信号をさらに増幅して、リバーブに送る前の信号と混ぜられます。
その信号はパワー・アンプに送られる前に最後の電圧増幅段であるフェーズ・インバーターという回路に送られます。そしてパワーアンプが増幅しやすい電圧レベルにされてパワーアンプへと送られます。

プリアンプやパワーアンプは世の中に色々な回路があります。一口に全てを説明できませんので、かなり簡略化して、一般的に説明しました。

11. アンプのトーン・コントロール

Kawauchi さんから以下のような質問が届きました。アンプのトーン・コントロールについて書こうと思っていたところですので、Q&Aのページでお答えするよりこちらに掲載させていただきます。

Kawauchi さんのご質問
お言葉に甘えてアンプのことで前々から一つ質問があります。
「アンプの摘みのニュートラルはどこか?」です。ギターの場合トーン、ボリュームともに10ですよね。
アンプの場合はどうなんですか?また、ギターの場合スルー出来るようにしたり、最初から付けなかったりしますが、アンプの場合これは有効ですか?


まず結論から。おなじみのフェンダーやマーシャル、ボックス等のギターアンプのトーン・コントロールはパッシブ回路です。すなわち、音を削る方向でのみ音作りをします。
「アンプのつまみのニュートラルはどこか」という質問は奥深いです。といいますのも「何をもってしてニュートラルとするのか」という事に様々な議論があると思いますから。そこで下記のような目で見るアプローチでトーン・コントロールの音についてお話させていただこうと思います。
使用しましたのは http://www.duncanamps.com/index.htm というホームページに掲載されています、Tone Stack Calculator ( トーン・スタック・計算機) http://www.duncanamps.com/tsc というパソコン用の無料ソフトデス。文中は TSC と略して書きます。

Fender のトーン・コントロール

下図は TSC を使用してフェンダー・アンプのトーンコントロール回路での周波数の削られ方を計算したものです。横軸が周波数を表します。原点に近いと低音、右にいくと高音を意味します。縦軸はデシベルです。一番上が0dbで下に行くほどその周波数領域の音が削られる事を意味します。
このトーン・ミントロール回路は数あるフェンダー・アンプのうちミドル・コントロールのついているツイン・リバーブのものです。
図中のグリーンの曲線がトーンを全て10にした時です。ブルーの線がトーンが全て5の時です。ミドルがいずれの場合も落ち込んでいます。これをフラットにするにはBass と Treble を1にセットし Middle を10にセットした時にほぼ -20db上の直線となります。つまりフェンダーのアンプ・サウンドは
ミドルを意識的に削ったサウンドです。ですから、レオ・フェンダーの考えたニュートラルな音とはミドルを他より削った音なのです。純粋に周波数という観点からいくとミドル10でバスとトレブルが1ニュートラルとなりますが。だから何をもってしてニュートラルとするかが難しいと書いたのです。
ちなみにフェンダーの他のブラックフェースの機種にはミドル・コントロールはありません。しかし実はミドル用の可変抵抗が付いていないだけでミドルを5の位置にした抵抗値が半田付けされています。

マーシャルのトーン・コントロール

マーシャル・アンプのトーンは右図のようにフェンダーのように目立つ山ではなくて比較的フラットな特性です。演奏していてトーンのつまみの位置に敏感に反応しないと感じるのはこのためです。もうひとつ言えるのはフェンダーほどたくさんの音を削っていないところです。カーブが全体的に上(0db)寄りにあります。
敢えて意識するならば数10Hzの低域と 1KHの中域が削られています。マーシャルのアンプでフラットな特性となる位置は Trble =5, Bass =10, Middle =10 の時です。

マーシャルのトーンですが、実はマーシャルはフェンダーのツイード・ベースマンのコピーから出発したメーカーです。フェンダーはトーン・コントロールの設計をどんどん変更していって上図のような特性になってきましたが、マーシャルはそのまんまです。
フェンダーのツイード・ベースマンは右図の特性と同じです。

VOX アンプの特性

最後に VOX アンプの特性が右図です。
フェンダーのようにミドルを削っていますが、Bass と Treble を10にするとよりミドルが削られていきます。フラットな特性を得るにはBassを 1 に、 Treble を 2にします。そうするとフェンダーと同じように -20db 近辺でフラットになります。
さて色々なトーン・コントロールを見てきましたが、果たしてニュートラルとはどこなんでしょうね。みなさんはどう思いますか?今私の側に置いてある Fender のデラックス・リバーブ・リイシューのTreble =1 , Bass=1 にして弾いています。確かに暖かい音で全ての音域が聞こえますが、やはりトレブルはもう少し上げないとフェンダー・アンプらしくないです。 自分の耳が心地よい所が自分にとってのニュートラルではないかしらと思うのですが。

最後にトーン・コントロール抜きにすることは可能です。ツイード・チャンプのヴォリュームだけのモデルは音を削るトーン用の部品は一切付いていません。技術的には十分可能です。では「有効かどうか」は、個人の音の趣向によると思います。マーシャル系の音が好きなら有効で、フェンダー系が好きなら意味無いのかもしれないし。いやマーシャルでもミドルは絞るんですという人には向かないし。それは自分で様々なアンプを聞いたり、MOD(改造)してみるしかないでしょう。私はミドルをある程度削って音を作るのが自分にはよさそうというのがアンプ作成やMODを通じて体験してわかってきましたが、それが万人に当てはまるとは思えません。
MODの話が出ましたがこのTSCというソフトは良く出来ていて、トーン・コントロールに使われているキャパシターや可変抵抗の値を自分で変更して計算させ、グラフを描画させることが可能です。
またアンプだけでなく、エフェクターのトーンもシミュレートして計算できるので試してみてはいかがでしょうか?


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12. アンプのトーン・コントロール Part 2 (ミドルの有り無し)

物事は、なかなか完璧にはいかないものである。項目11を書き終えて、「トーンについては完璧に書けた」と思っていたが、どうも何か抜けている気がしていた。昨日ふと思ったのが「トレブルとバスしかついていないアンプを持っている人は、あれを読んでどう感じるやろか?」である。 VOX にはミドルついていないから自然と理解できる?でけへんでけへん。ミドル無しのアンプの方が多いのだからここは解説しとかないと。

なるべく分かりやすいようにと思い今まで極力アンプの回路図は書かないできましたが、今回だけは書いた方が分かりやすいので載せます。図1がミドル付の回路、図2がミドル無しの回路です。世の中様々なトーン・コントロール回路がありますが、ここでは代表的なフェンダーの回路で説明します。
それで見方をまず解説します。大丈夫、簡単やから拒否反応を起こさず見てください。
1.左端のギター信号とかいてあるのはギターのシールドで運ばれて来た信号です。
2.ギター信号はまず12AX7半分の増幅回路で増幅されます。(ゲインをかせぐとも言う)
3.一回目の増幅をされた信号はトーン・コントロールで音色調節されます。
  緑色の破線で囲った部分がアンプのトーン・コントロール回路です。
a) トレブルは250PFの小さい値のコンデンサと250KΩの可変抵抗で調節 (Trebleのつまみ)
b) バスは0.1μFの大きなコンデンサと250KΩの可変抵抗で調節 ( Bassのつまみ)
c) ミドルは0.047μFのコンデンサと10KΩの可変抵抗で調節します。( Middle のつまみ)
4.トーンで音色調節された信号はボリュームを通ってから
  12AX7のもう半分の増幅回路でさらに増幅されます。
  
コンデンサは周波数に応じた交流信号を通すというのを何度か説明しましたよね。右の破線で囲った部分は12AX7から来た信号を 250PF、0.1μF、0.047μFという3つのコンデンサで構成される支流に周波数毎に分流させて可変抵抗の値で流れにくさを加減してやって音質を決めているのです。
そこで図1と図2の緑の破線部分をよーくみ比べてください。何が違う?
図1は 10K Middle と書かれた抵抗と矢印一体型のものがついているのに図2は単に6.8Kと書いた抵抗ですよね。
図1.の抵抗と矢印一体型が可変抵抗を表すもので抵抗値が0から10KΩまで可変できるのに対して、
図2のミドル無しの回路にもちゃんとミドルの周波数用の0.047μFのコンデンサはついておるのに、抵抗は6.8kΩで固定されている(可変できない)だけなんです。
ものすごくわかり易く言うと、ミドル無しのアンプはミドル付のアンプのミドルの目盛りを6.8にキープしたまんまの音に固定しているんです。
それから、それから、横道にそれますが、トーン・コントロールのつまみの並び方が Treble, Bass, Middle となっていて Treble, Middle, Bass となっていない理由は図1の回路とおりに部品を並べているからなんですよ。
周波数特性図を書いてみますと正に左図の通りにミドル・コントロール無しの場合の中域はミドル=5にした時より高く、ミドル=10にした時よりも低く出ることがわかります。

つまり、「アンプのニュートラルとはどういう状態?」という哲学的問題に対して、「設計者の意図したところがニュートラル」とお答えしましたのは、レオ・フェンダーさんはミドルをある程度へこませたサウンドをニュートラルとして設計しゃあはったと思っているからなのです。言い方を変えるとフェンダー・アンプの音の個性を形作る上でこのトーン・コントロールは大きな役割を果たしているのです。
ほら良く言うでしょう「ギター・アンプはオーディオ・アンプとは似ているけどユニークや」って。オーディオ・アンプだと低域・中域・高域まで、なるべくフラットな直線的な特性が好まれます。理由はレコードやCDの音がすでに完成された音楽なのでアンプで勝手にどこかを削ったら、原音をそこねるからですね。
ところがギター・アンプの場合はスピーカーから音が出てはじめて楽器として機能するわけやから、途中で音を削ったり足したりするのは有りなんですよ。トーン・コントロールは削る方向で働くのです。
では音を足すのは?これはまた先で詳しくお話しますが、倍音の付加なんです。偶数次倍音、奇数次倍音は「増幅歪み」と言われてオーディオ・アンプではなるべく取り去る方向の設計がされています。ギター・アンプはこの歪み(倍音)を積極的にOKとして利用してエレキ・ギターの音として完成していくのですねー。
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