探索14日目

牙を研ぐ。 今回の探索で俺達に残された時間と食糧はあと、僅か。 あの獣使いの少年を倒し、次の魔法陣を刻んで帰還しなくてはならない。 次の探索の足がかりとして。 勝算は、在る。だが、3隊とも無事に抜けられるかどうかはわからない。 だが、ここでいらぬ心配をしても仕方がない。それにそんな必要もないだろう。 各自、全力を尽くす。ただ、それだけだ。 ----------------------------------- 先日採取した上質の肉でフォウトがミートパイを焼いてくれた。 スパイスの良く利いた美味そうなミートパイで。 ……しまったな。どうやら合成の触媒用だということを伝え忘れていたみたいだ。 なので食べてしまうワケにもいかず。かと言って、口にしないのも申し訳ない。 仕方がないので一口分だけ切り取って、後は蟹の殻に乗せてアーヴィンに手渡した。 あいつもつまみ食いをして合成に悪影響が出ないといいのだが。 まあ、何が出来上がるかはまだわからないのだが。良い触媒になってくれることを願おう。 でなければ、申し訳なさすぎる。 そして明日のためにバレルの手入れをいつもより念入りにした後、先刻のミートパイをつまんだ。 ……良い味出してるじゃないか。 すまんな、フォウト。

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