探索18日目

階段を下り 山に阻まれる。 階段を慎重に降りていくと途中の裂け目から黒い球状の魔物と地蟲に襲われた。 ブラックボール、と呼称される魔法生物。 見たままの名前は正直どうかと思うが、他に付けようもない気がするのも事実だ。 バチバチと嫌な音を立てて虚空に浮かぶ黒い、怪球。 そして足下には巨大な地蟲。ランドウォームと呼ばれる種類で、地面を震動させて 獲物を昏倒させると聞く。 先日の駱駝の群れとの戦闘での疲れが響く。 短槍と化したバレルで刺突を繰り出すが、ブレる。 上手く、当てることが出来ない。 焦燥が、募る。 焦りが、更なるミスに繋がる。 なんてザマだろうか。 一旦距離を取り、大きく息を吐き、落ち着かせる。 いつもの調子でやればいい。ただそれだけのことだった。 そして迷いを断ち切るように、懐に踏み込み、突撃。 ブラックボールは既にサフィが射抜いた後で、残るはランドウォームだけだった。 柔らかい巨体に毒を塗布した刃を何度も突き立てる。 地蟲が動きを止めるまで、抉り続けた。 階段を降りた先に広がるのは長い山岳地帯だった。 恐ろしい、空の精霊が支配する―――死の領域。

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