寒くなったり暖かかったり、極めて過ごしにくい時期なのだが。 外は徐々にではあるが確実に暖かくなっているのを実感する。 と、いうことで。 桜風味のこしあんが食べたいなぁ…。 *** ここから公式の日記・レポート提出用です。 *** 実戦も何もない遺跡外でも私たちは訓練や準備で忙しい。 この日は戦闘訓練というべきだろうか。それとも魔術訓練というべきだろうか。 セレナさんを相手に一緒に実戦形式の訓練を行った。 最初にセレナさんの召喚魔法を使っている様子は驚いた。 2匹も同時に召喚するというとても私には真似ができない芸当をいきなり見せてくれた。 もちろん私も召喚はとりあえず使えるのだが、先日のエド戦で召喚魔法を使った後はまともに魔法をつかえないのは改めて確認済み。 まぁ、2匹目を召喚する魔法を習得してないのもあるのだが…それとこれとは話は別という話でお願いしたい。 私が試した魔法はウーンズとウィキドリンク。 ウーンズはターゲットを狙い撃ちすることはできないのだが、相当強力な魔法だった。 いきなりセレナさんの召喚した獣を一撃で倒してしまう程の威力が出た。これには使った私も驚いた。 威力が強い反面。この魔法普通の魔法と同じように一撃しかないので、 万一はずしてしまったら物凄く形勢不利になる可能性も秘めている。使いどころはあまり間違えたくない。 そしてウィキドリンクなのだが……何だろうこれは。 1回1回のダメージだけを見れば大したことはないのだろう。しかし、攻撃回数が違う。 セレナさんともう1匹の召喚獣にそれぞれ5回も攻撃を当てているのだ。 ウーンズとは対照的な魔法という印象をもった。この魔法は切り札に使えるかもしれない。 セレナさんもライトニングブラストという魔法ともう1つの魔法をつかっていたのだが。あの魔法は何だったのだろう? 少し次の魔法を撃つのに若干怯んでしまう感じを受けてしまったのはあの魔法の効果だと思う。 1回受けただけでその短い時間の隙にセレナさんの魔法を連続で受けることになったので もし、あの魔法を連続で受けたらかなり怖いような気がした。 まぁ、こんな風にいろいろと収穫の多い訓練だった。 このような機会があって本当によかった。セレナさん、ありがとう。 (*ナミサの日記〜16日目抜粋) ……あ。通信がきた。 「─今回はレポートはまともなようですね。」 この声は私の姉。魔法騎士として今日も公務で働いている。 私のこの遺跡の報告書もその一環で書いている。 魔法の解説など半分以上は関係ない部分も多いがあまり気にしてはいけない。 こうやって姉とは定期的に連絡するのがもはや恒例になっている。 「─大まかな内容は確認しました。今後の調査も期待します。」 まぁ、今回はエドの様子など書いていたので報告書としても様になっていたのだろうな。 結果的には何もわからなかったものの。別に遊んでいるわけではないのをわかってくれたのだろう。 何もしてないで遊んでいるならきっと姉は強制的に実家へ戻すだろう。そんな力を持った存在だ。 「─ところで、結構日数が過ぎましたが黒石の具合はどうでしょうか。」 黒石。つまり最初からもっている漆黒のマナストーンのことだが。 …って。これ以上は話すことはできない。禁則事項ということでお願いしたい。 と、書いてみたものの特に現状異常はない。 「わかりました。もし、異常があったら早急に連絡だけはお忘れなきように。」 異常があったら何とかできるのか…とは聞きたくなったが黙っておこう。 たぶん、異常があった後の姉の行動もその後の私がどうなってしまうのかも予想がつく。 まさか、あの黒石に有限な魔力しかないとは思いたくないのだが、 ただ少し強く工夫はしたほうがいいのかもしれないな……。 (*遺跡調査報告会2回目通信記録から一部抜粋)

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