別に目的なんてものはない。ただ走りたかっただけだったのだが。 でも、何故だろう、何かよくわからないが青い服をきている謎の集団が追いかけてくる。 まぁ、一体何の集団か知らないが。きっと、コスプレっていう奴なのだろう。 なるほど俺も確かに白い服を着ているしそういう意味では同じ仲間なのかもしれない。 ただ、同じコスプレだとしてもあの集団の行動には俺には理解ができないことが多かった。 こんな夜中に大きな音量でサイレンを鳴らす集団。後ろで赤いランプがくるくると点灯している光景。 こんな夜中に騒がしいと思ったことはないのだろうか。 一般住民はもう寝ているのにこんな大騒音を出してどうする? 他人の迷惑を考えないとんでもない集団だ。 そもそも何で追いかけてくるのか理解できないのだがな。 彼らはさらに大きな音声で叫びまくっている。しかもわざわざ声を拡大するマイクを使ってだ。 こんな道のど真ん中で止まれという寝言を言う。全く理解ができないよな。 急に止まったら後ろの奴に迷惑ってことに気づかないのかね? と、いうかあいつら一体何様なんだよ? 命令とかルールとか言ってわけわからない。 ……って、危ない! あの集団の新手が突然横から現れてきやがった。応援を頼んだのだろうか。 それにしてもいきなり現れてくるから心臓によくないよな。 奴らぶつけるつもりで横から出てきたのだろうか。本当に自分勝手な奴らに参るぜ。 こんな相手に話し合いが通じるか? もちろん否だ。 ルールにのっとってさっさと逃げてしまった方がいいよな。もちろん… …おい、ちょっと待て。確かこの青と黄色と赤のランプがついたものは 確か赤が点灯しているときは運転をやめて停止しろって命令じゃなかったっけか? ルールを護れないっていうのは本当にどうしようもない連中だよな。 って、しまった。操作がっ…まずいっ─! ………。 この先は記憶にない。ただ、気がついたときには謎の集団はいなかったが、 周りをみるとそこは何かよくわからない巨大な建物があった。そして見たことのない場所だ。 どうやって帰ればいいのかもわからない。と、いうかここがどこなのかすらもわからない。 お金だってそんなに多くないし、トレードマークの白い服はもはやボロボロだ。 正直怪我は覚悟していたのだがなぜか怪我はしてない。それだけが救いであろうが… …俺はこの先どうすればいいのだろう? 途方に暮れて立ち上がったそこに置いてあったのは1枚の招待状だった─。 *** えいぷりるふーるきかく なみさのたびだち おしまい (笑) *** ………0点だな。勢いだけで書いただけで何をしたかったのやら、私は。 まぁ、他に何か書くことはない。そしてロクなこと書いてない。 正直読み飛ばし推奨だな…ってこんなところに書いても仕方ないか。 てか、いつものやっておこうか…怪我をしてるとこういう無駄なことを考えてしまうものだ。 変に考える時間ができてしまうのはいいことなのかどうなのか。 *** ほうこくしょ *** シャーク隊のおかげで遺跡外に戻ってこれた私は1日ゆっくり休むことにした。 正直、色々な意味で予防線っていうのだろうか。リスクヘッジというのだろうか。 例えば遺跡探索のメンバー。3部隊編成の9人で構成していたこと。 そして一同同じように集団で動いていたことが今回もプラスに働いた。 怪我とか色々全員が全員元に戻れたかどうかはわからないが。 今をこうして全員が生きている。このことは素直に喜ぶべきことだと思う。アイテムの紛失もなかったしな。 そして、もう1つは……私自身のことだ。負けることを想定してなかった点が1点。 諸事情でこの場には書けないのだが確かに姉の忠告を聞いていてよかったと思う。 他の例で申し訳ないのだが。高級な宝石が壊れなくてよかった…。 ケースにいれておいたから無事だった。そういう感じに近い。 まぁ、別に割れたとしても何か特別変わるとは思えないのだが─おや? (*ナミサの日記〜20日目抜粋) 「一時は心配しました…本当に生きていてなによりです。」 …あ、そうか、遺跡外に戻ってきたから定期通信があったのか。 声はいつものように魔法騎士の姉の声だ。私を心配した声なのがわかる。 まぁ、アレだけのことがあった後だから仕方ないのかもしれないが。 「─とにかく、今日の遺跡外にいる間はゆっくりお休みなさい。  冒険者として身体ができているわけではないのですし。」 そんな姉の声が痛い。確かに私は姉とは違って前で戦う訓練は受けていなかった。 こないだの受けたダメージや怪我を気遣ってのことだろう。 ─もちろん、エゼさんと一緒にトレーニングをしているので少しはうたれ強くはなっているはずなのだが…。 「─後悔しても仕方ありませんよ。あなたは騎士や身体を使う職業をを望んだわけではありませんものね。」 確かに1年前と今とは必要なものが変わった。身体など鍛える必要はなかったのだ。 もちろん魔法も使う必要はなかった。覚えるものは一般教養と望む仕事に対する技術。 そして魔法を緊急時に使える力とそれを受け継ぐ知識……これが昔の私に必要なものだった。 「体格に不安なのでしたら大丈夫ですよ。私とかつて一緒に旅をした方は最初は魔法だけでした。  いかに危険を早く排除するかというのを重視したのですね。怪我の治療や敵の攻撃を受けるのは私に任せてね。」 補足すると、姉の魔法を使うところはほとんど回復魔法しかみたことがない。 それ以外は何をしているかといえば相手の攻撃を食い止めたり。庇ったり、魔法使いを護ることが多かったらしい。 ただ、それを伸ばしていけば1つの長所であり特徴であるというということを言いたかったと思う。 私の場合はどうすればいいのだろうな。この先…。 「─まぁ、とにかく臨機応変に頑張りなさい。あ、そうそう…魔石は大丈夫ですね?」 その魔石─漆黒のマナストーンは以前と変わらず黒く煌いていた。 その姿を見た私はゆっくりと静かに頷いた。 …大丈夫。まだまだここからだ。 (*遺跡調査報告会3回目通信記録から一部抜粋)

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