*** ほうこくしょ *** ─この日記が表示されている頃には残り日数はなくなっている。 この日がもし終わったら一体どうなってしまうのだろうな? 今日を持ってこの遺跡が一時的に閉まる。 噂や予知夢。私達は色々な情報や能力でこのことを知ることができた。 もはや、このことは変わりようのない事実になるのであろう。 ただ、問題はどのように閉まるのか……と、いうことだ。 善意的に捉えれば、わざわざ全員を強制送還で遺跡外に送りかえすということも考えられるが、 わざわざそのような大魔法を使ったりするのかどうか非常に疑わしい。 縁起のいい話ではないが、遺跡が一時的に崩壊して進入不能になるというのも閉まるという。 そうでなくても、遺跡の魔法陣の魔力供給の停止でも遺跡を閉じることはできるはずだ。 むしろ管理するのならばその方が手っ取り早い。 …もし、この説が正しければこの戦闘が終わったら早急に脱出しないといけない。 魔法陣が停止した状態で私達がいつでも遺跡外に出れるかどうかという確証はない。 これからある戦闘も終わらせてメンバー全員で無事に脱出できると─ここまで書いて。私はとある事実に気づく。 …今、私達がいる場所は「蟻地獄」なのだが? いや…もちろん、この巨大蟻地獄は倒すしかないのだが。 この蟻地獄を倒したあとに元の砂地に戻るのだろうな? 足場が不安定なまま脱出はなかなか困難であるのは容易に想像できるしな…。 ああ─とりあえずここにつくまでのロケーションの説明をしておこう。 魔法陣「水先案内」から床の道を進むと、二手に分かれる道がある。 真っ直ぐ西へ進むルートをそのまま直進すると、丁度床で囲まれた砂地のある広場に出る。 どう考えてもこの砂地で休めるという感じだったので休憩してみたらそこは蟻地獄でした…と、いう感じだ。 どうしてこのような状態になったのか1つだけ言い訳をさせてもらうと、 ここまで床で連続して戦闘を続けてきたので結構、体力や気力を消耗してきたのだ。 戦闘が多くなってどうしても途中で休憩を取ってしまいたくなるという性質をついた 実にうまい場所に蟻地獄が罠をしかけていたということにしておいてもらいたい。 ─ちなみにこの蟻地獄は何やら興奮している。と、いうか台詞がなかなか変態的だ。 何をどういう基準で上質というのだろうか。口調からすると雄のような感じを受けるのだが。 我等、Triad Chain クローバーキング に何の御用かね? まさか、あの蟻地獄はエゼさんやアーヴィンさんを見て言っているのか? それとも私か? 正直、蟻地獄の好みはわからない…。まぁ、知ったところで役に立つわけではないのだが。 ただ、少なくとも女性がいなくてよかった…のかな? まぁ、どちらにしてもそろそろ全力全壊でやってしまうことには変わりはないのだけど。 (*ナミサの日記〜24日目抜粋)

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