Last Updated Mar/31/1997
Locomotives
近江鉄道の電気機関車は、昭和23年(1948)10月に彦根駅構内の入換 用として西武鉄道のED1を借用したのが最初で、工場入替え用や、蒸気機関車 の廃車代替、さらに砂利、セメント原料の輸送の増大に伴い、国鉄の廃車機等を 譲り受けて順次増備し、戦前から貨物列車を引いていた電動貨車にとってかわり 電気機関車が走り出した。
近江鉄道の主な貨物輸送は、野沢セメント(現:住友セメント)の原石輸送(
昭和35年開始)、日本石油のタンカー輸送(昭和46年開始)、キリンビール
のビール輸送(昭和49年開始)、および東洋カーボンの原材料輸送(昭和46
年開始)等があり、電気機関車はこれらの貨物列車けん引に活躍していた。
ところが、貨物の輸送にトラックが進出し、さらには国鉄の貨物輸送の再編成
等により、近江鉄道の貨物輸送も鳥居本−彦根間の日本石油のタンカー輸送を最
後に昭和63年3月12日をもって廃止を余儀なくされた。
現在、11両の電気機関車が彦根車庫に集められ休車状態のまま留置されてい るが、特にED14形式は、マニアの間では全国的に有名で、その勇姿をカメラ に収めようとするカメラマンが後を絶たない。また、現在保存が約束されていな い車両の中では、専門家のなかで国鉄東海道本線電化の当初に使われた一形式の 電気機関車が全機揃っていることから、保存の要望がもっとも強い車両でもある 。 なお、電気機関車の塗色はヘロングレーに統一されているが、ED144は 最近JRのぶどう色へ塗色変更されている。
電気機関車の主要諸元
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Title Photo by H.Kawagishi, Photo(ED1) from Memorial Tickets