特集:ボブ・マーリィーよ永遠に
      〜俺の中で神様と呼べるのはボブさんだけだ!〜

レゲエという奇妙な音楽に出会ったのは俺が高校生の時だった。
当時『六盛』という料理屋のCMで流れてた曲がとても気になって
あちこち捜して回ったのだが見つからなかった。
それにしても怪しい雰囲気の音楽だと思っていたら、友達がレゲエ
だと教えてくれた。しかし、レコード屋に行ってもレゲエのコーナーなんて
なかった。今ならどこのCD店にも当然のようにCDが並んでるが…。
情報があまりない時代なのと、俺の行動範囲も狭かったのとで捜査は
すぐに暗礁に乗り上げてしまった。その後しばらく例の曲の事は忘れていた。
それから数年経って、テレビでジョー・山中を見た。ジョー・山中と言えば
映画『人間の証明』の主題歌「ママ〜・ドゥ〜・ユ〜・リ〜メンバ〜…」で
お馴染みの黒人と日本人のハーフの歌手なのだが、その時のジョー・山中は
何とドレッド・ヘアーだった!話によるとレゲエをやってる奴はみんなドレッド・
ヘアーにしていると言うのだ。早速レコード屋にジョー・山中を買いに走るが、
やはり近所の店には置いていなかった。
それからまた数年経ち、レンタル・レコード屋というものができた頃。
見つけた、やっと見つけたよジョー・山中。
聴くとやっぱり変てこなリズムで怪しい。
気に入った、大いに気に入った!
歌詞カードの中に解説みたいな事が書いてある。
そこで俺は、初めて
ボブ・マーリィーという名前を知った。
レゲエの神様?
その日から俺の捜査は再開された。例の曲を探すために。
またまた数年経って、レコードよりもCDが主流になった頃。京都で見つけた。
ボブ・マーリィーのCD全11作。有金全部はたいて買った。例の曲はなかった。
しかし
ハマッてしまった。
ボブ・マーリィーの世界にどっぷりハマッてしまった!
マイ・セレクションのカセット・テープを作り、車の中は3年ほどボブ・マーリィー
が鳴り響いていた。もう例の曲など、どうでもよくなった。
ハマッたのは音楽だけじゃなかった。彼の生き様がたまらくカッコよかった。
レベル・ミュージック(反逆の歌)が多いが、全てテーマは愛に繋がっている。

母国ジャマイカの混乱する政治運動に巻き込まれ銃で撃たれた事もある。
それでも敵対する政党の党首2人を自分のライヴのステージ上で握手をさせる
という前代未聞の行動を起こした。だからジャマイカでは国民的英雄である。
全てテーマは愛なのだ。
女が大好きで、本妻の子供4人の他、認知している子供は10人以上いる。
うらやましいが、とてもマネはできない。
全てはテーマは愛…?
うらやましくもなく、とてもマネしたくないのはラスタ・ファリだ。これは自然を愛すると
いう思想or宗教のようなもの。アフリカ系の黒人の間で広く信仰されている。
菜食主義で髪の毛は切らずに伸ばし放題、そして風呂には入らない。
だから一時、東京や大阪でホームレスは『レゲエのおっさん』と呼ばれていた。
ガンジャ(大麻)を神と同調できる物としてみんな吸っている。だからレゲエの裏打ち
リズムは、みんなラリって遅れているからだと言う説がある。信憑性はないが…。
一番シビれたのは、脳腫瘍で死ぬ直前。それまで一切口にしなかった病院食の
ミート・ボールを食べた。次のライヴに備えて
体力を養うために、
生きるためにだ。
それも、ラスタ・ファリの戒律を破って!
そこまでして彼は人々に何を伝えようとしたのか?
全てテーマは愛なのだ!

享年36歳。もうすぐ俺も36歳。比べるのはおこがましいが、自分の人間の小さい事に
打ちのめされてしまう。ボブさん俺は少しでも、あんたみたいに人々に影響を与えたいと
思う、あんたみたいにみんなに愛されたいと思う、あんたみたいに…。
いつか、ジャマイカに行く。
ボブ・マーリィー博物館に会いに行く。


俺の人生の中で最も影響を与えた、
ボブ・マーリィーよ永遠に!


黙ってこの3枚、とにかく聴いてみろ!
  
ボブさんのCDは中古市場にはほとんど出回っていない。
それは、みんなが宝物にしているからに違いない!