悩みの相談室
 ここは毎回誰かの相談に乗るという良心的な所ではなく、首領自身が抱えている
悩みをブツブツと愚痴るコーナーである。


第3回 遅筆?

 決して自分では遅筆などとは思っていないし、別に悩んでもいない。むしろ、
他の劇団の作家よりも速い方だと思っている。にも関わらず、ウチのセリフ覚えの
悪い役者達は自分の情けない脳ミソを活性化させようともせず、遅いだの
覚わらないだの、挙句の果ては人の事を糖尿呼ばわりする始末。心外だ!
言っておくが俺は、痛風であって糖尿ではない!
 という訳で、今回は『悩みの相談室』と言うより『首領の速筆度徹底検証』をする。

  資料:A)
BUGSYで上演された作品はどのくらいで書き上げたか?
   1,『ブラック・レイク』(130min)執筆期間=2ヶ月、脱稿=4ヶ月前。
   2,『デストロイ』(135min)執筆期間=4ヶ月、脱稿=3ヶ月前。
   3,『チャイナ・ヘヴン』(110min)執筆期間=4ヶ月、脱稿=2ヶ月前。
   4,『テロルの天使』(126min)執筆期間=5ヶ月、脱稿=1ヶ月前。
   ※参考
   5,『プラザ署・生活保安課』(10min)執筆期間=2時間、脱稿=10日前。

 上の資料を見れば、俺が遅筆でない事は明らかだ。若干3〜4あたりが遅いように
見えるが、それは1〜2が異様に速筆だったために遅く感じてしまうのである。
 参考資料の5などは3の公演終了後にも関わらず驚異の速筆ぶりを発揮している。
 さらに次の資料を見てみよう。

  資料:B)他の劇団はどれくらいで書き上がるのか?
   1,
IG燈舎の場合、脱稿=2〜3週間前。
   2,
Hッピーナッツの場合、脱稿=3〜4週間前。
                   キャスティング決定=1ヶ月前。
   3,
M来探偵社の場合、脱稿=2週間前。
                  キャスティング決定=1ヶ月前。
   4,
K内万歳一座の場合、脱稿=2日前。
   ※参考
   5,
演劇同人の場合、既成台本なので脱稿待ちはなし。
           (尚、この資料は風の噂によるものであり信憑性はありません。もし間違っている場合は御一報ください。)

 これだけ資料が出揃えば誰も俺を遅筆とは呼べないだろう。
 言い訳するわけではないが、公演を重ねるごとに欲が出てくる。
「もっといいものを、もっといいものを!」と。これは舞台人として当然の事である。
 それにネタがなくなってくる。おもしろい事など、そうザラには転がっていないのだ。
 大体、作家は「遅い!」と言われるより「おもしろくない!」と言われるのが恐いのだ。
 だから、役者に渡すのが少々遅れるぐらい気にならない。もっといいセリフが
出てこないだろうかと時間の許す限り奮闘するのだ。ごく稀に時間が許されない時も
あるが…。
 BUGSYのいや、全ての役者諸君、もう少し作家の苦労を分かってやってくれ。

ん〜?何で俺、速筆のくせに遅筆の弁護をしているのだろう?

さて次回はどんな悩みが飛び出すか?!
お楽しみに!