探索12日目

とんでもないことになった。 あの狼のせいで、写真が……ふぉ、フォウトさんの知るところに! もはや大乱戦の話どころじゃなかった。 蟻・蜥蜴を一蹴した後に呼び出されて…夕食の直後。 フォウトさんに、ずっと説教をされた。 今思い出しても、気分が重くなる。 詰問されて、口を開けば。 「もっとはっきりどうぞ」 隠し撮りや購入じゃないか、と疑われたので… 家を出たときに紛れた、と言った。 「それは誓って事実ですか?」 もうあとは、ひたすら謝っていた記憶しかない… 「あれほど邪念を抑えてください、と口を酸っぱくして……!」 「抑えていてこれですよ!他女性メンバーとの連携が崩れたらどうします!」 途中、知らないうちに涙をためていたようだ…情けない。 「泣かずとも宜しい。するなとは申しませんが、今度から控えてください。もしくは表に出さぬように」 ……なんだか、とても辛かった。 僕だって、出したくて出してるわけじゃないんだ。 ただ、勝手に体が動いてしまう…… 自分の中にもう1人、自分がいる? 気がつけば、写真を見てたりメモ帳の中身が増えている。 捨てたり消そうと思っても、恥ずかしくてできない。 ……弱い自分。一歩ずつ、父さんに近づいているのだろうか。 これじゃ、いけない。 酒場で痴漢呼ばわりされるなんて、漢じゃない。 セクハラ対策委員の人たちに襲撃されるなんてごめんだ。 いくら腕が立っても、あれじゃ。 ……どうして母さんは父さんを? ―――フォウトさんの言葉を聞きながら、そんなことを考えていた。 そうして1時間ほどたったくらいだろうか。 いつしか僕は眠り込んでいた。 ついさっき、起きたんだ。 ナミサさんに聞いた話では、アーヴィンさんがテントまで連れて行ってくれたらしい。 お礼を言っておかないと。 今日はとても他のことを書く気になれない。 このまま寝るとする。 ああ、1つだけ。 説教の時、アーヴィンさんがたまたま近くにいた。 色々フォローをしてくれたのだけれど…… フォウトさんの迫力には少しも通じず。 とうとう、「諦めれ」とまで言われた。 ……男は女性に勝てない理由が、判った気がした。 お休み……

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