探索3日目

さそりの針は、とっても痛かった。 ちょっと刺されるだけで、体がしびれてくる。 あんなに痛いのは、まだちっちゃい子供の時に親指ほどの蜂に刺された時以来。 あまりに痛かったから、物覚えの悪いわたしでもよく覚えてる。 ……これが、冒険。 なんでパパやママがあんなに強いのか、ちょっとわかった気がする。 姉さんも兄さんも、今ごろはどこか遠い場所で同じようなことをやってるのかな…… なんとかさそりは追い払ったけれど、気がついたら髭のおじさん(名前わすれちゃった)がいない。 さそりに刺されても、痛そうな顔ひとつしてなかった強いおじさん。 そのおじさん抜きで、わたしと植物の子(こっちも名前忘れちゃった)のふたりっきり。 植物の子はとっても頭が良くて魔法も使えるけど、わたしよりも小さいからわたしが守らなきゃいけない。 髭のおじさんみたいに、今度はわたしが何発も攻撃を受け止めて敵を食い止めなきゃならない。 パパ、ママ、力を貸して……

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