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精神保健福祉協会だより 編集後記 抜粋

 第15号(2002.3.31)

◆3月17日「心の健康を考える講演と広場と映画の一日」が開催されました。今日の青少年をめぐる問題を、参加者一同でともに考える機会をもちました。生野先生のお話は、先生のお人柄や診察スタイルが良く表れていました。温かさと包容力が伝わってくる魅力的な講演でした。

◆平成12年には青少年の事件が相次ぎ、いわゆる「17才問題」が大きく取上げられました。少年犯罪の低年齢化、凶悪化が指摘され、その結果平成13年4月に改正少年法が施行されました。刑事罰適応年齢を14才に引き下げること、審判での事実認定手続きに検察官や弁護士を関与させること、さらに被害者への情報開示などが盛り込まれました。

◆少年刑法犯の検挙人数は、S58年以降は長らく減少傾向にあったのに平成8年以降増加に転じたため騒がれました。しかし犯罪白書によれば、実際には平成11年、12年と連続して減少しているようです。これまでの枠組みで理解できない出来事は起こっているようですが、統計の数字だけでその意味を読み解くことは困難です。

◆「17才問題」というのは何だったのでしょう。ジェームスディーンの「理由なき反抗」も17才でした。いつの時代にも社会の役割期待からずれていく若者の動きはありました。青年期は自己同一性を獲得する時期といわれていましたが、今は日本の社会全体で、目指すべき同一性が揺らいでいる状況です。

◆今年の春は早い、お彼岸に桜が咲いた、などという東京を中心にした情報がマスコミを通して流されています。彦根でも例年より少し早いですが、それ程極端ではありません。日々に大量に流される情報にふりまわされずに、私達の地域に根ざした独自の情報を発信できたらと思います。

(滋賀県精神神経科診療所協会 上ノ山 )




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