関連活動


精神保健福祉協会だより 編集後記 抜粋

 第28号(2006.8.31)

編集後記
◆ 長かった夏も終わりに近づきました。振り返ってみれば、7月は長雨が続き、祇園祭りの山鉾巡行は雨の中でした。8月 8日の琵琶湖花火は台風7号のため11日に延期されました。連日の記録的な猛暑の中で甲子園では青いハンカチがさわやかさを運びました。

◆ 障害者自立支援法の10月本格施行を前にして、各市町で障害程度区分判定審査会が行われています。一次判定では介護保険の79項目をそのまま利用しており、知的障害や精神障害の程度はかなり低く判定されてしまいます。行動面の項目や日常生活関連項目が付け加えられ、合計106項目の判定となりましたが、非該当を避ける程度の意味しかありません。

◆ 従ってコンピューター判定のままでは精神障害では区分4以上はまず出ません。二次判定で区分変更するためには医師意見書や調査員による特記事項が重要です。もし審査会の中にこれらを充分読み取ろうとする委員がいなければ、コンピューター判定のまま流れていくでしょう。厚労省の報告でさえ、二次判定変更率は身体障害20%、知的障害43%、精神障害53%です。

◆ それにしても、審査会で長時間議論し、区分変更をしても空しさが残ります。各区分に該当するサービス支給決定基準が、この時期になっても示されず、区分判定がどのようなサービスにつながるのか不明だからです。また区分変更が利用者の利益につながるのか、利用者負担を増やすだけにならないか懸念がつきまといます。

◆ 近い将来、障害福祉サービスを介護保険の仕組みに統合することが想定されています。しかし介護保険におけるサービスは、利用者の現状を維持するための介護の手間によって判定されます。一方、障害福祉サービスは、利用者が障害を抱えながらも就職や結婚も含めて社会参加し自己実現をめざす長い道のりを支援していくものであるはずです。それ程簡単には統合できないのではないでしょうか。(滋賀県精神神経科診療所協会 上ノ山)









お問い合わせはこちら!ご連絡は mihikocl@biwako.ne.jp までお願い申し上げます。
(病気・診療に関するお問い合わせにはお応えできません。)
Copyright (c), サイト内の無断複製および引用を禁じます。