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精神保健福祉協会だより 編集後記 抜粋

 第32号(2007.12.28)

編集後記
◆ 彦根城築城400年祭はひこにゃん人気もあって、期間中76万人の人出で賑わいました。ひこにゃんのキャラクター作者から祭り終了後の使用制限を求める訴えがあり心配しましたが、2008年6月からの「井伊直弼と開国150年祭」などにも登場することになったようです。

◆ 今年の漢字は「偽」ということでしたが、多くの方の予想が当たったのではないでしょうか。懐かしい名前の商品や名門ブランドが次々と食品偽装の仲間入りしました。耐震偽装、偽装請負など多種多彩な偽装列島です。それでも、販売を再開した「白い恋人」は連日売り切れだそうです。ピンチをチャンスにしていけるか、楽しみでもあります。

◆ 「KY」という言葉が今年の流行語大賞にノミネートされました。「空気が読めない」ということを表しているそうです。そういえば空気が読めずに、政権を投げ出した首相がいました。人とコミュニケーションしていく上で空気を読むことは重要です。しかし、場や空気が私たちの行動に対して強い強制力を持つことには注意が必要です。

◆ たとえば、笑うことの許される場とそうでない場を区別することを学びながら、私たち日本人は社会性を獲得していきます。日本では公式の場でジョークを飛ばすことはあまり好まれませんが、酒宴の場であれば、無礼講も許されます。その区別をわきまえないと空気を読めない人間として厳しく指弾されてしまいます。
場や空気を読むことが、それぞれの集団において一定のまとまりや均質性を保つ役割を果たしているのですが、その圧力が強すぎる場合、そこから外れる人たちを排除する力として働きがちです。今日発達障害と呼ばれる子どもたちが増加しているといわれています。彼らは空気を読むことが苦手です。均質化を求める社会が彼らを追い詰めていないか心配です。「子どもの心を支える地域ネットワークの集い」を年明けに開催し、そのようなことを考える機会を持ちたいと考えています。
(滋賀県精神神経科診療所協会 上ノ山)








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