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精神保健福祉協会だより 編集後記 抜粋

 第38号(2009.12.31)

編集後記

◆石川遼選手が18才でプロゴルフ史上最年少賞金王になりました。2007年にハニカミ王子として衝撃のデビューを飾ってから、着実に実力をつけて、とうとう日本人プロゴルファーのトップに立ってしまいました。全くもって信じられないことでした。何かと暗い話題が多かった2009年。私たちの社会の中にはこのような奇跡的人材を生み出す潜在力があることを教えられ、勇気付けられました。来年早々にはバンクーバー冬季オリンピックが開催されます。また夏にはサッカーワールドカップがあります。ワールドカップのベスト4というのはとても難しいかと思いますが、ここでも若い才能が輝けば私たちに夢を届けてくれるかも知れません。

◆そんなことよりも、毎日の生活を何とかしてくれという声が聞こえてきそうです。11月の総務省発表では完全失業者数は331万人で前年同月に比べて75万人増加、デフレの影響が大きく、厳しい雇用状況が続いています。滋賀県では有効求人倍率は6月の時点で過去最低の0.34でした。8月には「コンクリートから人へ」を掲げた新政権が誕生し、何かが変わるとかも知れないという期待が高い支持率となって表れていました。しかし、新政権発足後100日を経過した現在、ハネムーン期を過ぎて、その実行力に対して疑問を呈する声が大きくなりつつあります。

◆民主党マニフェストでは「医療崩壊を食い止め、国民に質の高い医療サービスを提供する」とあり、その具体策として自公政権が続けてきた社会保障費2200億円削減方針を撤回することや、OECD平均の人口当たり医師数を目指し、医師養成数を1.5倍にすることなどが書き込まれています。その結果H22年度診療報酬改定案では、本体1.55%の微増で決着したようです。10年ぶりにプラス改定になったことは評価されるべきかも知れませんが、これでは羊頭狗肉のそしりは免れません。OECD加盟30カ国の中で、対GNP比の医療費は21位、人口あたり医師数は27位という低コストの医療提供システムは変わりそうもありません。

◆「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」の報告書「精神保健医療福祉の更なる改革に向けて」が9月24日に発表されました。 厚労省ホームページから http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/09/s0924-2.html をご参照下さい。新政権において具体的にどのように実行されていくのか注意深く見守っていく必要があります。

(滋賀県精神神経科診療所協会 上ノ山)




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