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精神保健福祉協会だより 編集後記 抜粋

 第45号(2012.3.31)

編集後記

◆NHK連続TV小説カーネーションがほぼ20%の視聴率を維持していたようです。生涯を洋服づくりに捧げ、個性豊かな3姉妹を育て上げた小篠綾子さんの一代記。これまで朝ドラは時計代わりに見る程度でしたが、脚本に緩みがない、主演の尾野真千子さんの陰のある演技がいい、岸和田弁は田丸麻紀さんの方が正調などと評したりしているうちに、いつのまにか続けて見ていました。椎名林檎さんは、朝から別に聴いてくれんでいいよという感じで歌っていたので、却って引きつけられてしまいました。よく聴いてみると「小さく丸めたからだは今 かなしみを隠しふるえて 命を表しているのね」。カーネーションの花言葉は「あらゆる試練に耐えた誠実」というのだそうです。震災に耐えて立ち上がっていこうとしている多くの人々が、自らを投影して歌を聴き、ドラマを見たのかも知れません。

◆定期検査で停止中の関西電力大飯原発の再稼働に向けて、政府が動き出しています。ここで事故が起こると、関西1450万人の水瓶である琵琶湖が汚染されてしまいますので大変心配です。関電が行ったストレステストの一次評価結果を保安院が妥当と判断し、3/23には原子力安全委員会が了承しました。原子力安全委員会は5名の専門家によって構成されていますが、普通の審議会と違って行政や事業者を指導する大きな権限を持っています。福島第一原発事故の責任をとって、とっくに辞めているべき人たちが了承するなんてどういうこと?と思います。想定より1.8倍大きい地震の揺れや、4倍の高さの津波でも炉心損傷しないとのことです。でも、また想定外のことがおこったらどうしてくれるのでしょう。おそらく誰も責任をとらないことが想定されます。

◆厚労省の報告によれば、認知症で医療機関を受療している患者数は、H8年の11万人から、H20年には38万人と大きく増加しています。これに伴い、認知症のため精神科病床に入院している患者数も、H8年の2.8万人から、H20年には5.2万人と増加してます。一方、統合失調症のために入院している患者数は、H8年の21.5万人からH20年の18.5万人へと減少しています。統合失調症の方の減少分の多くを認知症の方が埋めていることが分かります。厚労省では認知症に対する精神科医療のあり方に対する検討を進めていますが、認知症に対する啓発や、認知症に対する医療やケアの開発はまだまだこれからといった状況です。今回は滋賀県認知症医療とケアフォーラムについて紹介しました。藤本クリニックはH17年から滋賀県の委託を受けて「もの忘れサポートセンター・しが」を運営。H23年からは「滋賀県若年認知症コールセンター」も開設し、介護相談や現地相談に取り組んでおられます。滋賀県からこのような先進的な取り組みを情報発信できるのを誇らしく思います。

(滋賀県精神神経科診療所協会 上ノ山)




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