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精神保健福祉協会だより 編集後記 抜粋 第49号(2013.8.31)

◆この夏は猛暑でした。高知県四万十市では、最高気温41度を観測し日本記録を更新しました。それだけでなく亜熱帯を思わせる局地的なゲリラ豪雨が各地を襲うなど「これまで経験したことのない」異常気象が続きました。地球温暖化の影響が年々大きくなっているような気配です。

◆真夏の甲子園には彦根東高校が出場しました。地元の商店街には応援の幟が上がり、多くの卒業生・在校生らが甲子園に足を運びました。赤く染まったアルプス応援団席は壮観でした。結果的に花巻東高校に初戦敗退しましたが、その健闘をたたえたいと思います。

◆一億総中流時代と言われていたのはいつのことだったでしょうか。長引くデフレ不況下で私たちはいつの間にか、貧困と隣り合わせの生活を送るようになっています。政府は、デフレ脱却を目指して様々な施策を打ち出していますが、その効果はいまだ不明です。OECD加盟30か国中、我が国の「相対的貧困率」は27位となっています。「相対的貧困率」は、その国の標準的所得の半分以下の世帯の割合を表す指標とされています。

◆H21年時点で、子どもの貧困率は15.7%となっており、17歳以下の子どものおよそ6人に1人が貧困層に属していることになります。特に大人一人で子どもを養育している家庭の貧困率が50.8%で、H23年版子ども・若者白書によれば、OECD加盟30ヶ国中最も高くなっています。その中で「子どもの貧困対策法」が6月通常国会で成立しました。「生まれ育った環境によって子どもの将来が左右されない社会の実現」を理念に掲げています。貧しい家庭で育った子どもが大人になっても貧困から抜け出せない「貧困の連鎖」を断ち切る計画の策定を、国や地方自治体に求めています。

◆その一方で歳出削減のため、増大する生活保護費の圧縮が計られ、今年8月から2年間で6.5%削減されることになりました。社会保障審議会生活保護基準部会報告書によれば、生活保護世帯では、20才代から60才代までのあらゆる年代において、一般世帯よりも自殺比率が高くなっています。その内訳をみると、傷病者世帯が一番多く、次いで障害者世帯となっています。自殺問題の背景として、貧困と精神疾患について注意深く見ていく必要があると思われます。

◆生活保護受給者に対して、きめ細やかな自立支援が必要なのは言うまでもないですが、福祉事務所担当者の中には、障害者年金取得への誘導や、就労支援においてやや強引な手法を取り、生活保護受給者の自信や誇りを傷つけている場合がみられます。生活保護担当者の精神保健医療福祉への理解が深まるように、生活保護担当者と精神科医療機関との連携を深めていく必要があります。

(滋賀県精神神経科診療所協会 上ノ山)




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