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精神保健福祉協会だより 編集後記 抜粋 51号(2014.4.23)

◆彦根城の桜は今年は4月7日に満開となったようです。ちょうどその夜に桜を楽しみました。ライトアップされた満開の夜桜と、上弦の月がお堀の水面に映り、とてもきれいでした。花に嵐のたとえもあり、満開の桜に嵐はつきものですが、今年は雨風が少なく、花冷えが続いたこともあって、比較的長く花を楽しめたようです。

◆その彦根城が今年からLEDによって夜間照明されています。これまでのハロゲンランプよりも消費電力が約半分になるそうです。国宝の天守が夜空に白く浮かび上がって遠目にまことにきれいですが、少し白すぎる印象です。お城の陰影を消して冷たくみえます。LEDの光は、消費電力を節約して良いのかも知れませんが、もう一つ好きになれません。

◆既にずい分時間が経ってしまった感じがしますが、ソチ冬季オリンピックでは数々のドラマがありました。2月21日の朝、普段おとなしい患者さんが泣きながら、診察室に入ってこられました。その訳を聞いてみると、真央ちゃんが頑張ったので泣けてきたというのです。私もついもらい泣きをしてしまいました。多くの人が、彼女の一途な挑戦を、我がことのように息をつめて見守り、その成功を喜んだようです。

◆平成25年6月に改正された精神保健福祉法に基づいて、精神障害者の地域生活への移行を促進するため、精神障害者の医療に関する指針(大臣告示)が示されました。退院に向けて生活環境相談員を選定する件では「入院前に診療を行っていた地域の医療機関等とも連携をしながら、随時、精神障害者に対する入院医療の必要性について、検討する体制を整備する」という提案がなされています。入院中の患者の支援のあり方について、外部の医療機関等と連携していくことにはいくばくかの抵抗感があるかもしれません。そのような体制が構築されるためには、精神科病院と精神科診療所をはじめとする地域の関係機関とのきめ細かい連携体制と信頼関係が重要と思われます。

◆亀岡で集団登校中の小学生の列に無免許の車が突っ込み、多数の死傷者が出て約2年になります。これら事件を受けて、昨年12月には改正道路交通法が施行され、昨年11月には自動車運転死傷行為処罰法が新設されています。無免許や飲酒運転など、悪質で無責任な危険運転を取り締まるはずの法律の中にいつのまにか、「自動車運転に支障を及ぼすおそれがある病気」として、統合失調症などの精神疾患が組み込まれてしまっています。多くの精神障害者が自動車を利用しながら、日常生活を送っておられます。病名をもとに、社会参加を委縮させるようなことがあってはならないと思います。

(滋賀県精神神経科診療所協会 上ノ山)




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