探索10日目

砂地を征く。 “エサ”を見つけた蟻と蜥蜴が我先にと砂上を駆け寄ってくる。 頑丈な顎を左右に、上下に、それぞれ大きく広げて噛み砕こうと迫る。 開いた顎の内側を狙いポイズンソーンを撃ち込む。――命中。 奴らの硬い外皮を避けて狙うタイミングとしては丁度良い。 継ぎ目よりも的としてはデカい上に毒の回りも早かろう 単純だが、タフな連中で面倒だ。……まぁ、卑怯だとも言うまい。 然程の問題もなく襲撃者達を蹴散らす。……少々、手傷を負い過ぎた感はあるが。 蜥蜴の肉を切り出して手土産に持ち帰る。確か、味は鳥肉に似ているのだったかな。 牙蜥蜴は見た目がゴツゴツとしていて、いかついので味は上物のような気もする。 さて、先を急ごう。 紅蓮の翼が待つという、砂地の果てへ。 ----------------------------------- この日は5日置きに催される“大乱戦”の日。 気になることはいくつか在るが、ひとまずは鍛錬の確認の場と認識しておくことにしよう。 今回は気分転換がてら、いつもとは多少違うメンバーでの参加ということになった。 俺と、アルクと、フォウト。戦力のバランスとしてはまぁまぁ、だな。 アルクが妙にこっちに気を遣ってるような、フォウトが平常心のようで高揚していたりと まぁ、あいつらはそれなりに楽しんでいるみたいだな。 しかし両手に花だのなんだのとやっかみを受けたが……むぅ。 だから刺客を差し向けるのは止めろと。 とりあえず、前回よりは健闘出来たので良しとしておこうか。 第3回戦の突破。次回はそれを目標にしておくとしよう。 ----------------------------------- フォウトが武器の作り方を教えてくれ、と言うのでひとまず基礎的な事を一通り手解きしておいた。 筋は悪くないのだが……少々焦り気味な所があるな。 なにやら作ってみたいものがあるような事を言っていたが、それで、だろうか。 ……まあ、いい。自分の技術を伝える相手が居るという事は、悪い気分じゃない。 ……それはともかくアクシデントによりサフィのコオロギの名前が……。 頭が、痛い。どうにかならんか、アレは。

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