探索16日目

獣小屋を経て、未開の地へ。 エド達を倒した先に在った小屋に刻まれていた魔法陣から探索を再開。 恐らく、エドと獣達が使用していた小屋なのだろう。 近くに水場も有り、この一帯は明らかに人の手が入っている。 獣使いと獣達が過ごした小さく粗末な小屋。 今はもう、誰も居ない。 俺達が選択したのは南の砂地。未開拓のルートだ。 地形の判明している北のルートを安全に進むという選択肢もあったが 中央砂地ルートを突破したというアドバンテージを考えると南のルートということになった。 多少の危険は、覚悟の上だ。 故人曰く『虎穴に入らずんば虎児を得ず』……だな。 出会い頭に虎に食い千切られないように願いたいところだが。 ……しかしウチの連中は案外、血の気が多いと言うかなんというか。 過度に危険を恐れず、未知の領域への開拓に胸を躍らせ道を切り拓く。 他人の切り拓いた道をを歩いて行くだけでは先んずる事は決して出来ない。 そう、俺達は冒険者なのだ。でなければもっと平穏な生活を選んでいるだろう。 選べれば、の話かもしれないが。 ----------------------------------- この一帯の砂地地域に生息する魔物について記しておくとしよう。 やはり、この島の生態系はどう考えても狂っている。 素晴らしい。 ・ビッグキャメル この一帯の砂地には嫌な目付きをしたラクダが群れている。 通常のラクダよりもずっと大きく好戦的……というかチンピラじみているな。 高みから人間を見下ろし、明らかに馬鹿にしている。 なんと言うか鬱陶しい連中だ。自慢のコブだけ切り取ってやったらどんな顔をするのだろう。 あのコブには水が詰まっている、なとどいう話をよく耳にするが、アレは脂肪の塊だ。 コブにばかり目が行きがちだが、異様に強い生命力が最大の特徴か。 ・サンドジェリー 砂の下にはサンドジェリーと呼称される不定形の粘体が蠢き、獲物を待っている。 スライムの一種なのだろう。砂地に特化したカモフラージュ能力により迂闊に接近を許してしまう ケースが多いと聞く。ビヴァーグ中等、気をつけておくべきだろう。 あまり強くはないが毒性を持つのでサンプルとして採取しておきたいところだ。 ・ジャイアントタラバ 砂地ではよく大型の蟹と思わしき甲殻類の殻を採取出来るのだが、どうやらその主が このジャイアントタラバと呼称される大型の甲殻類のようだ。 近海に生息するタラバガニの近種が遺跡内に入り込み環境に適応、巨大化したものなのか もしくは人間が手を加えた実験体が逃亡、繁殖したものなのかもしれない。 堅牢なキチン質の外骨格と巨大なハサミを振り翳し、砂地を通る生き物に襲いかかる。 カニと呼称されるがヤドカリの仲間であり、横だけでなく縦にも移動可能だ。 巨躯に似合わず動きは俊敏。生命力も強い。 ……この手の生き物の例に漏れず吹矢使いである俺との相性は良くない。 ----------------------------------- ……正直に言えば、砂地にもいい加減飽きてきているので この先のエリアは砂地以外であることを願いたい。 素材やサンプルが偏るのはどうにも喜ばしくない。

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