探索2日目


遺跡探索ともなると、意外と準備ややることは多い。当然だ。古来より迷宮・遺跡探索は6人で行うものと相場は決まっているが、 この遺跡には半分の3人で潜らなければならない。他の2分隊が同地域に居るとは言え、必然的に準備する事項は増えてしまうものだ。 食べられるものと食べられないものの見分けが容易なこの島において、次に大事になってくるのはそれらを効率良く体内に取り込ん でエネルギーに出来るよう加工する術だ。……簡単に言えば料理なのだが。 過去の傭兵経験が役に立って幸いだったが、ふと疑問も湧いてくる。隊の面々に、明らかに人間以外の種族も混じっていることだ。 ……というよりも、ひょっとして人間の方が少ないのではないか。 ハーフエルフなどであれば薄々食事内容の予想は付くが、歩行雑草の少女やましてやからくりの娘などはどうすればいいのだろう。 ―――それは追々考えておけばいいか。 さて、私の所属する分隊のメンバーは少年二人だ。どうにも未だ家にいて弟達に囲まれている感覚になるが、それはそれで気が楽だ。 一人はハーフエルフの弓兵の少年、もう一人は若くして魔術師の眼鏡を掛けた少年である。彼らについてと、ひいては隊の面々に ついては追々記述していこうと思う。 【走り書きのメモ】 慣れ親しんだ『あの』森を散策していたら、霧の中で隊のエニシダ氏と出くわし、あやうく同士討ちになるところだった。 運良く事なきを得、当人も気にしていないようだったが、この事は隊の面々には黙っておこう。初っ端から双方危険人物指定されて しまってはたまってものではない。

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