我ながらいきなり思い切ったことをしたものだとつくづく感じた。 まさか、別方向に魔法陣が出現するとは思わなかったのだ。 そして今、私の目の前にいるのは毒蠍。 こいつをどうにかかしない限りは一息つくこともできない。 名前からだいたいどういう相手は見当がつく。正直、先の事を考えると憂鬱だ。 万一毒にかかったらどうすればいいのだろうか? その当たりを深く考えてないのは迂闊だった。 もっともここの通貨を持っていないから緊急調達する術もなく、どうしようもなかったのだが…。 逆に考えれば絶好の攻撃魔法の実験のチャンスでもある。 今まで無機物ばかりにしか魔法の練習はできなかったが。 こういう場面で試すことができると考えればそれほど悪い話ではない。たぶん。 何より一緒にパーティーを組んでいる仲間がいること。 特に今の私はエゼ氏とフォウト氏がいるのが非常に心強い。 しかも2人とも前で戦える強さをもっているようだし。3人いれば何とかなるだろう。 もちろん他の仲間とも一緒に同行しているのだが… まさか毒蠍ごときで大きな騒ぎを起こすわけにもいかないしな。 ところでこの先にお風呂…はともかくとして。 水場はあるのだろうか? さすがにそろそろ不安になってきたのだが。 (*ナミサの日記〜2日目抜粋)

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