暦について U

暦について U


 前回は、一日の陰陽と12ヶ月を説明しました。古代の人たちは、私たちが知らない自然界の現象を細かく観察していたのです。

 次に、二十四節気について説明します。これは多くの方々が生活上馴染んでおられる方が多いのではないでしょうか。立春、雨水、啓蟄、清明、穀雨、立夏、小満、芒種、夏至、小暑、大暑、立秋、処暑、白露、秋分、寒露、霜降、立冬、小雪、大雪、冬至、小寒、大寒と続きます。1ヶ月に2回の割合で、季節に応じて展開しています。春分の日を0度として、太陽が15度ずつ傾いてきたときにこの各節気がついています。太陽の黄経が春分から15度進むと清明になるのです。

 夏至の時は、丁度90度になっています。しかし、地球の軸は少し傾きがありますので、実際は正90度ではありません。少しずれて太陽光線は当たっています。余談になりますが、天頂に太陽が来る夏至が一年で一番暑いはずで、冬至が一番寒くなるわけですが、暦の上では冬至から陽に変更していきます。地球上で温めてくれる太陽の陽気の熱量と地表から放散する熱量が一致しないのです。ですから、実際には7月下旬が一番暑く、冬では1月下旬が一番寒く感じるなど約1ヶ月のずれがあるようです。冬至頃では、地下水も温かく感じます。

 もう一つ余談ですが、古くから十干といわれる甲、乙、丙、丁、戌、巳、庚、辛、壬、癸があります。これは木(甲、乙)、火(丙、丁)、土(戌、巳)、金(庚、辛)、水(壬、癸)と五行論で区別することができます。とても意味深い内容ですので、説明しますと、木の甲は陽で、乙は陰の性格を持っています。火の丙は陽で、丁は陰の性格を持っています。このことから、よく聞かれる話に丙午(ひのえうま)は強いということをご存じだと思います。「丙」は、先ほど説明したように、火の性格でかつ陽の性格を持っています。「午」は、正午の時間(12時から2時)までのことで、一日で最高に陽気が多い時間帯です。この「丙」と「午」が一緒になっているわけですから、陽気盛大で元気な性格のたとえ話になっているのです。この「丙午」の元気は、活発な人に違いないと本来考えられます。

 十干十二支は、私たちの生活にとって、とても便利に利用していますが、発生してきた時代背景から考えても古代人の優秀な才能には、本当に頭が下がります。この暦の上に月の引力作用による潮の干満と月の満月、新月の区別などを総合して、今でも農家の方々は旧暦を上手に使いこなしている人も多いようです。私たちの身体も本来は、旧暦の自然に合わすことが養生になるのです。


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