病気の原因 T

病気の原因 T


 病気には、必ず何らかの原因があるものです。いままでに、いくつか出てきました原因についてまとめてみます。

 大きく分けると自然界からの影響による外界から侵入する原因として、風、熱、湿、燥、寒があります。皆様は、これが病気の原因になるのかと不思議に思われるかも知れません。このようなところが、現代医学と東洋医学の違う点であり、物理的、唯物論的に証明ができない時代背景の中で発生した思想、哲学的解釈からなのです。

 簡単に説明させていただくと古典書には、「肝は風を嫌い、心は熱を嫌い、胃は湿を嫌い、肺は乾燥を嫌い、腎は寒を嫌う。」と書かれています。風と言いましてもどの臓にも影響を及ぼしており、特に秋冬の北風などは、肺の症状と関係しています。また、「万物は風によって成長する。逆に風の強きにて被害を受ける。」「水、よく船を浮かべ、逆に、水よく船を覆す。」と書かれています。このように大事な役目と反対の役目を持っているということも理解しておいて下さい。この風の理論は、私たちの専門家でも理解が難しい面があります。一年の中には八風といって、春は東、夏は南、秋は西、冬は北と季節により風の吹く方向が違い、夏に北風が吹いたり、冬に南風が吹くと万物の成長も停まり、病気の原因になるといわれています。八風のように自然の摂理に従って吹いている風は、万物の成長を促し、人間たちもその風を気持ちよく受けて生活しているのです。この風の病を受けない予防としては、体内に湿気をあまり満たない。内出血などの血液の滞りをなくす。怒ったり憂いたり精神的なストレスを少なくする。飲食の過不足をなくすことが大事になります。

 寒い時期に発熱して風邪症状になるのも皮膚に風が浸入するからといわれています。毛穴の開いている時に、風にあたると気血の巡りが悪くなります。私たち治療家は、脳卒中などの後遺症などを「中風」と呼んでいます。これも先ほどから説明している風の作用が血の巡りを悪くして、病気を引き起こしたものと考え、中風発作と言う言葉が残っているのです。

 風について詳しく説明しましたが、風だけでなく湿気や暑さ、乾燥、寒冷なども大きな病気の原因になるのです。秋になると気管支が弱い人、風邪の引きやすい人は、乾燥を嫌います。汗を出すにも乾燥にて、皮膚表面のセンサーが正しく働かず、皮膚面が開いたり閉じたりする機能の調子が悪くなるため、喉がいつも乾いていたり、イガイガする症状が出てきます。寒さは当然、足から冷えが侵入して腎の働きを悪くし、腰痛やのぼせの原因にもなります。


鈴木治療院
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