病気の原因 U(精神作用)

病気の原因 U(精神作用)


 病気の原因には、病原菌の感染症が多く、科学と化学の研究により、私たちは幸いにも早期発見と予防の恩恵に接しているのです。前回では、外因について説明させていただきました。各項目についても詳しく説明したいのですが、抽象的で理解しづらいので、風について説明をしました。他の外因にもそれぞれ特徴があるのです。

 次に、内因について説明します。内因とは感染病でなく、外邪でもなく、内側から発生する病気として考えられ、東洋医学では大きく比重を占めています。この内因とは、以前少し説明させていただいていますが、怒り、淋しい、想い憂う、恐がるなどの精神的な作用が強く、長く続くとそれぞれに関係する臓に何らかの反応が起こり、本来の働きに障害が発生して病気になるのです。これは、臓の精気に負担がかかるからです。例えば、身内に病人が出たり、親しい人が事故にあったときには、心配して食欲がなくなる方が多いと思います。また、会社経営で心配が続くと胃潰瘍になったという話もよく聞くと思います。怒りすぎると肝の精気を損ないます。この怒りやイライラは、何回も説明しています。特に、春の芽がでる頃は、身体が活動しはじめ、この時血の働きに負担がかかると精神不安定症が気が付かないうちに表れてくるのです。メニエル症や筋肉痛などはこの原因が多いです。

 悲しみ、淋しさは、肺の元気、精気を損ないます。このタイプの人は生まれながらの体質もありますが、あまり日常生活で動きが少ない人に多いようです。陽気が少なく、汗もかかかない生活が多いので、運動をして汗をかいたり、辛味の食べ物を時々食すことが大事です。

 恐がりは、腎に負担をかけます。腎の症状を問診することは少し難しいのですが、脈を診る、尿の状態や水の摂取状態を聞くなどし、恐がりなのかを聞くことも診断には欠かせない点なのです。恐怖や驚きが持続すると腎の働きに負担がかかります。逆に言うと、腎の作用が弱ってるときは、精神的に恐がりになっています。

 他の病気の原因としては、食べ過ぎ、労働の疲労なども病因になってきます。最近は、医薬品などによる独特な病因もあります。そして食物のなかで、誰が食べても危険なものもありますし、普通の食物でありながら、体質により病気の原因となるものもあります。漢方で言う医食同源の働きを、薬方のある食物により上手に応用することが重要です。


鈴木治療院
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